ニコニコ自作ゲームPick Up

第11回

半端ない作り込みの甘口RPG「Cake Make!」

ゲームバランス良好&世界観秀逸のファンタジーRPG

 『ニコニコ自作ゲームPick Up』では、“ニコニコ動画”で開催されている自作ゲームの祭典“ニコニコ自作ゲームフェス2”の参加作品の中から、ゲームフェス運営がピックアップしたゲームを毎週紹介していく。今回は作品世界を表現するための作り込みが半端ないRPG「Cake Make!」を紹介する。

作者のこだわりは見た目だけじゃない! 快適に遊べるRPG

このオリジナリティあふれるグラフィックを見よ! 装備から消費アイテム、敵の攻撃まで感服の作り込みなのだ

 「Cake Make!」はゲームを構成するほとんどのグラフィックが作者の自作という、とんでもない労力をかけたファンタジーRPG。と言うと、見かけだけ凝ったゲームと思うかもしれないが、全体的にレベルが高い仕上がりで、ゲームバランスの良さ、使いやすいUI、世界観にマッチしたアイテムや攻撃などにより、良質な作品世界が構築されている。

 物語の主人公は、お菓子の国に迷い込んでしまった男の子。国の領主から国の存亡に関わるアイテムを取ってきてほしいと頼まれ、クレープ、マカロンといったお菓子でできたマップを進んでいくことになる。

かゆいところに手が届く近道やガイドキャラ

かわいい仲間キャラも魅力。仲間が増えると1枚絵で紹介される

 遊んでいて強く感じるのは、作者のゲームバランスへのこだわり。それぞれテーマの異なるマップが登場するのだが、敵の登場するマップでは必ず途中で街へと戻るワープポイントが用意されている。敵との戦闘もかなり高い確率で逃げることができ、戦闘やマップ攻略がテンポよく進むように工夫されている。

 そのほかにも、ストーリーが進行すると便利な近道が登場したり、マップごとに施設を紹介してくれるキャラがいたりと、各所に作者からのこまやかな気遣いが感じられる。

 筆者が感心したのは、コマンドメニューの“相談”。要は現在の目的を表示してくれるコマンドなのだが、目標を見失ったときなど、あると便利な機能だと言える。

コマンドメニューの“相談”を使うと、キャラ同士の思わぬやりとりが見られることも。たまに使ってみると楽しい
敵キャラは、お菓子が女の子キャラになって登場する。攻撃方法こそ甘いが、麻痺や毒などの効果は強めで戦闘はなかなかシビア

 これらの秀逸なバランスは、作者自身のセンスに加え、テストプレイに2~3カ月かけたことも大きいようだ。そのおかげで、ストレスを感じず、気持ちよく遊べるゲームに仕上がっている。女の子はもちろん、子供や男性でも楽しめる、高いクオリティの作品だ。

「Cake Make!」
【著作権者】
万里 氏
【対応環境】
(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト

ニコニコ自作ゲームフェス2とは

 “ニコニコ自作ゲームフェス”は、ゲームを作る人、遊ぶ人、二次創作をする人をつなぎ、個人で作ったゲームがもっと多くのひとにプレイされるようになることを目指す祭典。2回目の開催となる“ニコニコ自作ゲームフェス2”は、2013年6月13日(木)から10月6日(日)の間で作品募集を行った。11月4日(月)には“ゲームマーケット2013秋”の会場にて授賞式を実施する。

ニコニコ自作ゲームフェス 今後のイベント出展予定

(市川 美穂)