『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、変身ヒーローに宇宙人、魔法使いなど20人を超えるオリジナルのヒーローたちが地球を救う熱血シミュレーションゲーム「EXTRAPOWER ATTACK OF DARKFORCE」を紹介しよう。

ダークフォース率いる侵略軍から地球を守れ！

　「EXTRAPOWER ATTACK OF DARKFORCE」は、地球を舞台にしたターン制のシミュレーションゲーム。宇宙の星々の支配をもくろむダークフォース率いる侵略軍は、シャークン星を攻撃中に次の標的を地球に決める。その事実を知ったシャークン星の王子“シャークン拷”は、それを伝えるために地球へ飛来。そして、侵略軍を倒すための協力を地球のヒーローたちに願い出る……というのが序盤のストーリーだ。

　本ゲームの最大の魅力は、ヒーローたちの競演にある。ヒーローは、当然ながらそれに敵対する組織があってこそ成り立つもの。本作には20人を超えるヒーローたちが登場するが、それぞれに戦う運命を背負っている。たとえば、変身ヒーロー“グランタイガー”は悪の組織タランチュラを潰すため、少年退魔士の“フェイ”は悪事を行うキョンシーを退治するため、勇者“ゾフィー”は魔法使い“ブラックベリー”の凶行を阻止するために戦っており、それが侵略軍の攻撃と複雑に絡み合いストーリーを盛り上げる。

　登場するヒーローのタイプも、アメコミ風、魔法使い、変身少女、狼男、超能力者など実に多彩だ。どんなピンチに陥っても前向きに熱く戦うヒーローたちは清々しい。さらに、すべてのキャラクターは本作オリジナルで、グラフィックもすべて書き下ろし。50曲を超えるBGMもオリジナルと、作者の情熱が詰まりに詰まった作品となっている。

　ゲームの基本は、プレイヤーがシャークン拷を中心とするヒーロー軍となり、敵軍と戦うステージクリア型のシミュレーションゲーム。敵の全滅や特定の場所への移動など、ステージごとに決められた条件を達成するのが目的だ。マップは四角形のマス目に分けられ、ゲームの進行はヒーロー軍と敵軍が順番にキャラクターを動かしていくオーソドックスなターン制となっている。

　キャラクターのタイプは大きく分けて3種類。近接戦闘型、遠距離攻撃型、回復などのサポート型だ。このゲームでは敵と隣接しての攻撃は、一撃で倒せないと反撃を食らう。逆に1マス以上離れた場所からの攻撃ならば反撃はないので、遠距離攻撃型のキャラクターで敵の体力を減らして、近接戦闘型のキャラクターでトドメを刺すのが安定度の高い戦い方と言える。

　また、各キャラクターには経験値があり、一定の値に達するとレベルアップ。1レベルごとに能力はかなり向上する。経験値は敵への攻撃で獲得するほか、サポート型のキャラクターが味方の体力を回復させた場合も獲得可能。確実にレベルをアップさせていくためには、多少面倒でもこまめに味方の体力を回復させることが重要だ。このほか、イベントなどで手に入る武器や防具、装飾品でも能力をアップできる。

ステージに隠された条件を達成してアイテムをゲット！

　ほとんどのステージは敵を全滅させればクリアとなるが、実は特定の味方キャラクターが特定の敵を倒すと武器や防具を入手できたりと、ちょっとしたイベントが隠されている。多くの場合は、そのステージで話の中心となっているヒーローが、敵軍のボスや指揮官を倒したときに発生。このほか、特定のキャラクターが特定の場所に移動することで入手できるアイテムもある。基本的には、話をしっかり追っていれば見つけられるものばかり。ストーリーを読み飛ばさないことが重要だ。

　その一方で、敗北条件が見えにくい点には注意したい。基本的には味方キャラクターの体力がゼロになってもそのキャラクターが戦闘から離脱するだけだが、ステージによっては特定のキャラクターがやられるとゲームオーバーになることも。そのステージでストーリーの中心となっているキャラクターには無理をさせないほうが無難だ。また、本ゲームはマルチエンディングになっており、ステージクリアにターン数をかけすぎるとバッドエンドへ近付いてしまう。マップ内の味方と敵の配置をしっかりと確認して、効率よく敵を倒していくことも大切だ。

　そのほか注意したいのは、育てるキャラクターを偏らせないことだ。近接戦闘型のキャラクターは攻撃力も防御力も高く、どんどん敵に突っ込ませても簡単にはやられない。とくに序盤ではその傾向が強くなっているが、中盤以降では特定のキャラクターだけで戦うステージも存在し、そのキャラクターを育てていなかった場合はクリアが困難になってしまう。

　というのは、味方キャラクターの攻撃力よりも敵の防御力が高い場合はダメージを一切与えられず、経験値も入手できなくなるからだ。つまり、回復系の能力をもっていない場合は経験値を稼ぐ手段がなくなり、レベルアップが不可能になってしまう。こうならないよう、面倒でも常に全員を戦闘に参加させるつもりでプレイしよう。

　次々にヒーローと敵が現れ目まぐるしく展開するストーリーに、グイグイと引き込まれていくのが本作一番の魅力。ただし、シミュレーション部分では戦闘ごとに発生するアニメーションをカットできず、同じシーンを何度も見ることになるため少々テンポが悪い。とはいえ、その点を差し引いても熱く戦うヒーローたちを見ているのは楽しく、さらに全50ステージ以上とボリュームも十二分。魔法少女、特撮、アメコミなどなど、ヒーローものが好きな人ならどっぷりとその世界に浸かれるハズだ。