『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、ひらめきと繊細なアクションが求められるステージクリア型のパズルアクションゲーム「イカロスTONIGHT」を紹介しよう。

カギを取ってゴールに入ればステージクリアとルールは単純明快

　「イカロスTONIGHT」は、赤い髪をした主人公“イカロス”を操作し、ミノタウロスのいるラビリンスから脱出するのが目的のステージクリア型パズルアクションゲーム。画面は2D横視点で、グラフィックはシンプルなドット絵ながらどこかギリシャ神話を思わせる雰囲気をもっている。

　ゲームの内容は非常にシンプルで、ステージ内にあるカギを取り、ゴールである扉に入ればステージクリア。ただし、上下移動のためジャンプするには1回ごとにアイテムが必要で、長距離を飛ぶにもちょっとしたテクニックが求められるなど、限りあるジャンプ回数でクリアするための“ひらめき”と空中での“絶妙な操作”が重要であることから、常にワクワク、ドキドキの緊張感を味わえるのが大きな魅力となっている。

　主人公は火の玉やミノタウロス、トゲ、岩に触れたり、画面外に落ちるとミスになり、残機0でゲームオーバー。コンティニューはないが数ステージごとにパスワードが表示され、それをタイトル画面から入力することで、パスワードが表示されたステージから再開が可能だ。

　操作方法は、カーソルキーの左右で移動、［X］キーでジャンプ、［Tab］キーで手詰まりとなった場合の自滅。ジャンプはステージ内にある“金の宝玉”を取ることで可能になり、宝玉は最大3つまで所持できる。連続してジャンプするとより高い場所まで移動が可能で、これがステージクリアにおいて非常に重要なテクニックとなる。なお、金の宝石は多くの場合1つ取るとなくなるが、ステージによっては取ってから5秒経過すると再出現したり、銅像がどんどん投げてくるパターンもある。

絶妙な空中制御をマスターせよ

　このゲームでもっとも重要なテクニックと言えるのが、主人公の空中制御だ。主人公はジャンプ中や落下中に左右へ移動することで、グライダーのように滑空して緩やかに落ちていくことが可能となっており、さらにカーソルキーを細かく押すことで滑空時間を大幅に延ばせる。通常のジャンプだけでは届きそうのない足場でも、このテクニックを使うことで辿り着けるわけだ。空中にいる時間を調整できるため、動く足場にうまく乗るための時間稼ぎにも使える。

　このほか、ステージには緑の宝石が3つ配置されており、すべて取ると大きい宝石が出現。これを入手すると残機が1つ増える。1回ジャンプに失敗するだけで手詰まりになるステージも多いだけに、残機はできるだけ増やしておきたい。なお、各ステージには制限時間が設定されているが、ゼロになってもミスにはならず、スコアが獲得できなくなるだけ。ハイスコアを目指さなければ、じっくりと考えて進んでも問題ない。

　ステージクリアにおいて大切なのはジャンプの回数だ。ジャンプするには金の宝玉が必要で、最大3個までしか持てない。それだけに、次にどの場所に移動すればいいのかキッチリと考えておく必要がある。また、一度取った金の宝玉が再出現するステージでは、ジャンプ後に空中制御で金の宝玉の復活を待って、さらに高い位置を目指すといったテクニックが必要になることも。このほか、やっかいなのが岩を投げてくるミノタウロス。主人公に向けて投げてくるので、動く足場に乗る瞬間など、別のことに集中していると当たりやすいので注意が必要だ。

　本作は全50ステージとボリュームがあり、シンプルながら幻想的なグラフィックも楽しませてくれる。空中での移動制御もなめらかにできるなど、操作性も良好だ。秋の夜長にじっくりと楽しむのに最適の1本と言える。