マルわかり!Windows 10 Mobileガイド

第32回

Windows 10 MobileはAnniversary Updateで何が変わった?

安定性とパフォーマンスが大幅に改善。各種アプリがこれまでよりも使いやすく

 Windows 10 MobileはモバイルOSとしての基本的な機能を備えているだけでなく、タッチパネル搭載のWindows 10パソコンに近い操作感で利用できるのが特徴だ。本連載ではWindows 10 MobileのTipsの他、OSを取り巻く旬の話題などを日替わりで紹介する。

細かい修正で使いやすくなったWindows 10 Mobile

 Microsoftが2016年8月にリリースした「Windows 10 Anniversary Update」は、Windows 10 Mobileも対象であり、バージョンは1607、ビルド番号が10.0.14393.67となる。だが、PC版であるWindows 10とは異なり、その大半は安定性とパフォーマンスの改善が中心だ。新機能についてもUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリのアップデートで実現しているのが大半だ。

「Microsoft Edge」は左右のスワイプ操作で“戻る”“進む”が可能になった
「Cortana」のリマインダーに画像を登録できるようになった
Windows 10 Mobileバージョン1607の「設定」では、各項目にシンプルなアイコンが加わった

 OSレベルの変更としては、“Continuum for Phone”におけるUSBイーサネットアダプターのサポートや、アクションセンターの優先度設定のほか、「設定」の各項目にアイコンが追加されたことなどが上げられる。

 同じMicrosoftアカウントで使用しているPCやWindows 10 Mobileデバイス間で、テキストメッセージを送受信する“Messaging everywhere”機能は最終的に実装が見送られたようだ。

「設定」アプリの[通知とアクション]項目で、クイック アクションの入れ替えがドラッグ&ドロップで行えるようになった
バッテリーに関する設定は比較的充実した。UWPアプリごとの管理方法も「設定」の[バッテリー]→[アプリによるバッテリーの使用]項目の1箇所にまとめられ、バックグラウンド動作も選択できる

 「設定」の[システムの更新]項目には、新たに[アクティブ時間]と[再起動のオプション](カスタム再起動時間)という2つの設定項目が用意された。前者はデバイスを主に使用する時間帯を設定することで、自動再起動を抑止するというもの。後者は更新プログラムが適用された場合も、アクティブ時間を一時的に上書きして、指定した時間に再起動を実行するというものだ。PCよりも肌身離さず使うデバイスだけに、これらの機能は使い勝手を大きく向上させてくれるだろう。

再起動の抑制時間帯を設定する[アクティブ時間]項目
アクティブ時間を一時的に上書きし、再起動するタイミングを設定する[再起動のオプション]項目

 その他にもWindows 10 MobileのAnniversary Update以降、つまりはバージョン1607以降でないと動作しないアプリとして、「Authenticator」や「Skype」といったUWPアプリのプレビュー版が既に公開されているため、Windows 10 Mobileの利用シーンは少しずつながらも充実し始めたと言えよう。

Microsoft製UWPアプリ「Authenticator」のプレビュー版。以前と比べると2段階認証が簡単になった
UWPアプリ版「Skype」のプレビューではBot機能やファイル送受信がサポートされた

 Windows 10 Mobileの今後だが、Microsoftは2016年8月中に次のOSビルドに着手することを公式ブログのWindows Experience Blogで発表している。同社は詳しく言及していないが、2017年春リリース予定の“Redstone 2”(開発コード名)へ向けた開発の始まりだ。ちなみに“Redstone 2”では、今回見送られた「Microsoft Edge」拡張機能の実装や、他のOSでサポートされているランドスケープモードで複数のアプリを実行するマルチタスク機能など、各機能の実装を目指すという話も聞こえてくる。興味深い新機能が実装されそうな場合は、本連載で逐一ご報告したい。

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