やじうまの杜

次の元号は? 『数学ガール』の結城氏が元号ジェネレータスクリプトを公開

元号に使われた実績のある漢字を組み合わせて4,900個の候補を一瞬で作成

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結城浩氏のツイート

 天皇陛下が在位30年を節目として譲位を希望されていることを受け、平成31(2019)年1月1日に皇太子さまの天皇即位と改元を行う――そんなニュースが流れ、にわかに危機感を覚えている筆者ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。今は亡き小渕元首相(当時、官房長官)が『新しい元号は“平成”であります』と公表して早30年。まさかそのまま伴侶を得ることなく平成という一時代を終えてしまうなんて、当時は想像もしていませんでした。

 それはさておき、気になるのは“新しい元号が何になるか”ですよね。一般的には四書五経・史書などの漢籍からイイ感じのものを選定するようですが、高校で漢文をちょっと習った程度ではどんな言葉が選定されるか想像もつきません。

 こういう時は、発想を変えてみましょう。たとえば、『数学ガール』などの著書で知られる結城浩氏が面白いアプローチで“元号になりそうな文字列”を生成するスクリプトを公開しています。

 “これまでに元号で使われた漢字からなるすべての二文字列を生成”しただけですが、元号に使えそうなのがちらほらありますね。このスクリプトで生成される文字列は4,900個だそうですが、“万万”“中中”など同じ漢字が重複するケースなどを除けばもっと絞り込めそうです。

 ちなみに、昭和54年10月23日閣議報告によると、

  • ア 国民の理想としてふさわしいようなよい意味を持つものであること。
  • イ 漢字2字であること。
  • ウ 書きやすいこと。
  • エ 読みやすいこと。
  • オ これまでに元号又はおくり名として用いられたものでないこと。
  • カ 俗用されているものでないこと。

が元号にふさわしいとされています。とくに“オ”の条件を使えば、これまで使われた元号や、それらと同じ読みのものを候補から省くことができるでしょう。かつては元号でよく使われていた“武”などの漢字も、現代には少しそぐわないかもしれません。

 また、新しい元号は“明治(M)”“大正(T)”“昭和(S)”“平成(H)”とアルファベットの略称が重複しない方が望ましいので、これも条件に加えればもっと絞り込めそうです。

 そう考えると、“久”“仁”“文”などから始まる元号が採用されやすいかなと個人的には思うのですが……もっとも、“これまでに元号で使われた漢字”は実績があるというだけなので、それ以外の漢字も使われるかもしれません。“書きやすいこと”“読みやすいこと”という条件を考えると、候補となる漢字の範囲は常用漢字程度に広げる必要があるかもしれませんね。

 さぁ、どれが新しい元号になるのか、一緒に予想してみませんか?