特集
ポッキーでプログラミング? 多彩な子供向けプログラミング学習ツールが大集合
“第3回G7プログラミングラーニングサミット”レポート(後編)
2017年9月8日 06:30
2017年8月22日、早稲田大学西早稲田キャンパス63号館において、“第3回G7プログラミングラーニングサミット”が開催された。
本イベントは、早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所および(株)フジテレビKIDSの産学協同プロジェクトとして、世界各国のプログラミング学習ツールを紹介し、それらのツール群を体験ならびに比較調査するために開催されているものであり、今回が第3回目の開催となる。
前編では、“第3回G7プログラミングラーニングサミット”のワークショップと体験・展示ブースの様子をレポートしたが、後編では併催イベントである、一般社団法人みんなのコード主催の“プログラミング教育明日会議”とP-kies Club主催の「ぼうしロボ」ワークショップも様子をレポートする。
グリコの「GLICODE」など10社が多彩なプログラミング学習のための教材を展示
“プログラミング教育明日会議”は、講演部屋(201号室)と教材研究部屋(202号室)、模擬授業部屋(203号室)の3つの部屋を使って開催されたが、ここではさまざまなプログラミング学習のための教材が展示されていた202号室の様子を紹介する。
202号室のスペースはかなり広く、全部で10のブースが設けられていたが、混雑することなくゆっくりと見ることができた。江崎グリコ(株)は、お菓子のポッキーでプログラミングを学習できるというユニークな教材「GLICODE」の展示やデモを行なっており、注目を集めていた。
「GLICODE」では、タブレットやスマートフォンで動作する無料アプリを利用する。アプリを起動して、ミッションを確認したら、ポッキーを白い紙の上に並べる。ポッキーを上下左右の方向に置くと、チョコレートのついてる方向に進めという命令となり、ハの字に並べると、その間の命令を繰り返せという命令になる。並べたポッキーを、スマートフォンやタブレットの内蔵カメラで撮影すると、自動的にブロックプログラムに変換される。“ハグハグ”というキャラクターを動かして、ゴールの女の子のところまで連れていけばクリアだ。
(株)ナリカは、「レゴWeDo 2.0」や「教育版レゴ マインドストームEV3」に関する展示やデモを行なっていた。「レゴWeDo 2.0」を使って製作された自動トイレの模型や「教育版レゴ マインドストームEV3」を使って製作された宇宙エレベーターの模型が展示されており、宇宙エレベーターは実際にテザーと呼ばれる細長い布をタイヤで挟んで、昇降するデモが行なわれていた。
中国のUFACTORY社は、学習用アームロボット「uArm」の展示を行なっていた。「uArm」は、先端のユニットを交換できることが特徴である。デモでは吸盤で吸着するユニットが装着されていたが、他のユニットに交換することで、さまざまな応用が可能になる。
同じく、中国のMakeblock Co., Ltd.は、STEM教育用ロボット「mBot」と新製品の教育用ドローン「Airblock」を展示していた。「mBot」は、低価格で高機能なことから、日本を含む各国の教育機関で採用されている。「Airblock」は、プログラムによる飛行が可能なほか、羽根の部分がモジュール構造になっていることが特徴であり、水に浮いて進む、ホバークラフト形態に組み替えることもできる。
その他、「Minecraft: Education Edition」や「プログル」、「ルビィのぼうけん」、「アルゴロジック」の展示やデモも行われていた。
iPhoneでくちばしや鼻などを動かすことができる「ぼうしロボ」のワークショップが人気
フジテレビKIDSが運営する「P-kies Club」主催の「ぼうしロボ」のワークショップも親子連れに大人気であった。「ぼうしロボ」とは、ぼうしを自由にデコレーションし、くちばしや鼻などをサーボモーターで動かせるロボットで、子ども達は目を輝かせて製作に取り組んでいた。オリジナリティあふれた「ぼうしロボ」を作る作り上げていた。サーボモーターのケーブルをiPhoneのヘッドホン端子に接続することによって、専用アプリでサーボモーターを制御できるようになる。
iPhoneの画面を指でスライドさせると、その動きに応じてサーボモーターに取り付けたくちばしや鼻などが動くという仕組みだ。パーツの取り付けにはグルーガンが使われていた。グルーガンを使うのは初めてという子どもも多かったようだが、すぐに慣れて、世界にひとつだけの「ぼうしロボ」を作り上げていた。ワークショップは2時間であったが、夢中で製作している子ども達にはあっという間に感じたようだ。最後に自分で作った「ぼうしロボ」をかぶって笑顔で記念撮影をして、ワークショップは終了した。