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スマホにも楽々おさまる将棋AIの軽量評価関数「つようら王11mini/micro」が無償公開

「MIT」ライセンスで商用も可。サイズは「水匠5」の1/7以下ながら棋力は上

「つようら王11mini/micro」が無料公開

 将棋思考エンジンの評価関数「つようら王11mini」「つようら王11micro」が10月14日、「pixivFANBOX」で無償公開された。ライセンスは「MIT License」で、二次配布や商用利用も自由に行える。

 最近は「Codex」や「Claude」といったコーディングAIの進化により、スマートフォン向けの将棋アプリが続々と登場している。しかし、将棋AIに使える評価関数で商用が可能なものは少なく、かといって自力で学習させるには大量の教師データや学習時間が必要になる。また、スマートフォンはメモリの少ない端末も多いため、できるだけサイズが小さく、ある程度強い評価関数が求められる。

 今回、無償公開された「つようら王11mini」「つようら王11micro」は、こうしたニーズに応えたものだ。ブラウザーアプリなどで採用の多い「水匠5」は評価関数のサイズが約63MBもあるが、これに対し、今回公開された評価関数のサイズは、進行度パラメーターを含めても「つようら王11mini」が約8.5MB、「つようら王11micro」が約4.5MBにおさまる。それでいて、「水匠5」をR150~200程度上回る棋力を実現しているという(水匠シリーズの最新版「水匠11Plus」には、R150ほど及ばない)。

  • つようら王11mini:パラメーター数は「水匠5」の1/5程度。「つようら王11」より計算量は多いものの、局面の評価精度も高いという
  • つようら王11micro:パラメーター数は「水匠5」の1/10程度。局面の評価精度は低いものの、NPS(1秒あたりの探索局面数)が高い

 どちらも同じくらいの強さだが、棋風はずいぶん異なるとのことなので、好みに合わせて選ぶとよいだろう。

 なお、評価関数を利用するには、それぞれの評価関数の構造に対応した将棋思考エンジンが必要だ。「pixivFANBOX」の公開ページで今回の評価関数に対応した「やねうら王」本体も配布されている(Windows 64bit版のみ)ので、適当な場所へ展開して実行ファイルがあるフォルダーに「eval」フォルダーを作り、評価関数の書庫ファイルの中身を配置すればよい。「ShogiHome」や「将棋所」といったGUIアプリに思考エンジンとして登録すれば、対局を楽しめる。

「ShogiHome」で対局した様子

 ただし、「つようら王11mini」「つようら王11micro」のライセンス(MIT)と「やねうら王」のライセンス(GPLv3)が異なる点には注意。アプリへの組み込みや再配布にあたっては、それぞれのライセンス条件に従う必要がある。

 ちなみに、今回公開された評価関数は「水匠11Plus」と同等の強さをもつ評価関数「つようら王11」の学習実験をしているときに生まれた副産物だとのこと。従来の評価関数では、玉の位置と駒の組み合わせを入力特徴量として用いていたため入力層付近が肥大化していたが、今回は実質的に駒の情報だけを入力しており、入力層付近のパラメーター数を1/81に抑えることに成功しているという。

ソフトウェア情報

「つようら王11mini/micro」
【著作権者】
やねうら王プロジェクト
【対応OS】
Windows(別途「やねうら王」が必要)
【ソフト種別】
オープンソース(MIT License)
【バージョン】
―(26/10/14)