気分は映画の主人公！360度の実写風景の中で大ジャンプできる「Hiyoshi Jump」

　今回紹介する「Hiyoshi Jump」は、実写系のコンテンツ。実際に撮影された360度の映像の中でジャンプができるコンテンツだ。Oculus Riftを使ったVRの実写コンテンツでは、基本的にプレイヤーは受動的に“見る”ことしかできない。しかし、この「Hiyoshi Jump」は一直線の移動ではあるものの、実写映像の中を動くことができる。自分の動きが大ジャンプのきっかけになることで、VRの中の自分と実際の行動がリンクし、より体験への没入感を増している。

ジャンプをすると、VRの中で大ジャンプ！

　操作などは非常に簡単。ソフトを起動してOculus Riftを装着しよう。周囲に物などがないことを確認し、立ったまま体験するのが望ましい。可能ならば体勢を崩した時に支えてもらえるよう、人に同席してもらうといいだろう。

制作チームの面々に囲まれている所からスタートする

　最初は地表面におり、スペースキーを押すことでジャンプができるのだが、もうひとつオススメの操作方法が“実際にジャンプする”こと。Oculus Riftを装着したままになるが、その場で軽くジャンプをすることで、その際の頭の揺れを内蔵されたセンサーが感知し、VR内でもジャンプできる。

一気にこの高さまでジャンプできる

　実写風景の中を、実際にはできない高さまで飛び上がる体験は、シンプルながら非常に感動的だ。周りを見渡し、そして眼下に小さく動く人間や鉄道を見ると、これまでとは全く違う、生身では決して経験できない視点を体験できていることに気付かされる。特撮やハリウッドのスーパーヒーローになったかのような気分を味わう人も多いかもしれない。

見下ろすと眼下に広がる街並み。高所恐怖症の人は注意だ

　「Hiyoshi Jump」では、ジャンプをすると“ふわっ”と浮くような感覚を感じる。通常のジャンプをしたときと同じだけの重力を感じているはずなのに、Oculus Riftを通して体験している大ジャンプに反応して、あたかも大ジャンプをしたときの重力を感じているような感覚に陥る。

　落ちるときも重力加速度を受けて一気に地面が近付いてくる感覚はかなり怖い。200m位から落下する経験など、これまで体験したことがない人がほとんどではないだろうか。実写に自分の動きが加わり、Oculus Riftの没入感の高さを改めて感じさせられる。

増える◯◯ジャンプ

　なお、この「Hiyoshi Jump」は、超小型のラジコンヘリに小型ビデオカメラ“GoPro”を6台搭載し、垂直方向に打ち上げて360度撮影した映像をゲームエンジン「Unity」で編集したものになる。

見上げると撮影に使用されたラジコンヘリが見える

　撮影が行われたのは、ソフトのタイトルにもなっている通り、神奈川県横浜市にある慶應義塾大学日吉キャンパスだ。機材と打ち上げて撮影可能な場所があれば色々な場所で撮影できるコンテンツということで、これまでもさまざまなバリエーションが登場し、イベントなどで体験できるようになっていた。

　例えば、東京都中野区にある明治大学の高層ビル内部を貫く吹き抜けを飛ぶことができる「Meiji Jump」。また、昨年4月に千葉県・幕張メッセで行われた“ニコニコ超会議3”では、当日朝に現地で撮影した「超会議ジャンプ」も展示された。

　「Hiyoshi Jump」以外のコンテンツはイベント限定ということでネット上で公開はされていないが、どれも新たな視点を体験できるコンテンツとして盛況のようだ。また、「Hiyoshi Jump」はiOS版、Android版が公開されており、スマートフォンで使える“ハコスコ”などのヘッドマウントディスプレイ（HMD）でも、同様に大ジャンプの体験ができる。今後も色々な地点で撮影が行われることに期待したい。

こちらはiOS版。利用するHMDに応じて、設定で一眼タイプと二眼タイプの切り替えも可能だ。