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Adobe、「Acrobat DC」「Acrobat Reader DC」をアップデート。71件の脆弱性を修正

新機能や既存機能の拡張、不具合の修正なども

「Adobe Acrobat Reader DC」v15.020.20039

 米Adobe Systems Incorporatedは11日(現地時間)、「Adobe Acrobat DC」および「Adobe Acrobat Reader DC」の最新版を公開した。今回の更新は、新機能やセキュリティの強化、既存機能の拡張、不具合の修正などを含んだ定例アップデートとなっている。

 今回のアップデートではファイルの比較ツールが刷新されたほか、証明書ツールが強化された。また、Windows 10の“DirectInk”技術がサポートされ、ペンツールを用いてPDF文書へスムーズかつ正確に書き込みが行えるようになった。“Microsoft Surface Pro”をはじめとするWindows 10のハードウェアペンを利用すれば、より良い結果を得られるという。

 そのほかにもタグエディターでアンドゥ・リドゥがサポート。[名前を付けて保存]ダイアログが強化され、クラウドストレージからドキュメントを開いた場合はそのストレージが既定の保存先にセットされるようになった。

 また、「PDFMaker」アドインが64bit版「Microsoft Office」とMacでサポートされた。その一方で、Apple社によるサポートが打ち切られたWindows版「QuickTime」が非推奨扱いとなっているので注意。PDF文書に埋め込まれている「QuickTime」ビデオは、Windows既定のメディアプレーヤーで再生される。

 なお、本バージョンでは脆弱性の修正も行われているので注意。

 同社が公開したセキュリティ情報(APSB16-33)によると、今回のアップデートで修正された脆弱性はCVE番号ベースで71件。Windows版およびMac版に影響し、深刻度は同社基準で4段階中最高の“Critical”とされている。

 更新プログラムの適用優先度はすべての製品で“2(30日程度以内を目安としたアップデートを推奨)”とされており、旧バージョンの製品を含め、なるべく早いアップデートが必要だ。それぞれの製品バージョンは以下の通り。

  • 「Acrobat DC」(Continuous)v15.020.20039(Windows/Mac)
  • 「Acrobat Reader DC」(Continuous)v15.020.20039(Windows/Mac)
  • 「Acrobat DC」(Classic)v15.006.30243(Windows/Mac)
  • 「Acrobat Reader DC」(Classic)v15.006.30243(Windows/Mac)
  • 「Acrobat XI」v11.0.18(Windows/Mac)
  • 「Reader XI」v11.0.18(Windows/Mac)

 なお、「Acrobat DC」「Acrobat Reader DC」は“Document Cloud”製品の一部として提供されており、機能追加と不具合の修正を逐次配信する“Continuous(連続トラック)”と、「Adobe Acrobat X」「Adobe Acrobat XI」までのように四半期ごとに1度アップデートを配信する“Classic(クラシックトラック)”という2つのリリーストラックで構成されている。一般的なエンドユーザーが同社のダウンロードセンターから入手しているのは“Continuous”版となる。

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