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「LibreOffice 5.4.0」が公開 ~オープンソースのオフィス統合環境の最新版
相互運用性向上を図るとともに、ドキュメント構造を見直してサイズを削減
2017年7月31日 11:22
The Document Foundationは28日(中央ヨーロッパ時間)、オープンソースのオフィス統合環境「LibreOffice」の最新版「LibreOffice 5.4.0」を公開した。Windows XP/Vista/7/8/10および64bit版のWindows Vista以降に対応する寄付歓迎のフリーソフトで、本ソフトの公式サイトからダウンロードできる。
「LibreOffice」は、「OpenOffice.org」から派生したオープンソースのオフィス統合環境。ワープロソフト「Writer」、表計算ソフト「Calc」、プレゼンテーションソフト「Impress」、図形描画ツール「Draw」、数式エディター「Math」、データベースソフト「Base」から成る。新しい機能を望むユーザーと互換性を重視するユーザー双方のニーズを満たすため、最新の機能をアグレッシブに盛り込んだ最新版“Fresh”と、基本的に不具合の修正のみを行う互換性重視の安定版“Still”が用意されている。今回リリースされたのは“Fresh”版で、エンタープライズ環境への導入は推奨されていない。
v5.4系統初のリリースとなる本バージョンでは、生成されるドキュメントファイルの相互運用性向上が図られた。ODF/OOXMLファイルに含まれるXMLの構造を見直し、冗長な表現を徹底的に削除した結果、「Microsoft Office」に比べてODT形式の場合で約50%、DOCX形式の場合で約90%のサイズ削減を実現しているという。
そのほかにも、RYBカラーモデルに基づく新しいカラーパレットを新たに導入。インポートまたはドキュメントへ挿入されたPDFファイルの品質が格段に改善された。また、Linux版ではOpenPGPカギを用いてODF文書へ署名できるようになった。
なお、各アプリにおける主要な改善点は以下の通り。
ワープロソフト「Writer」
- 「Microsoft Word」のDOTMテンプレートからAutoTextをインポート可能に
- 番号付きまたは箇条書きリストをテキストとしてエクスポートしたり貼り付けたりした際、それらの構造が保たれるように
- 書式メニューで、カスタムの透かしを作成可能に
- セクションや脚注、奥付、スタイルを編集するためのコンテキストメニューが追加
表計算ソフト「Calc」
- ピボットチャートをサポート。ピボットテーブルが更新されると、チャートもそれに応じて更新されるように
- すべてのコメントを表示、非表示、そして削除するメニューコマンドが加わり、コメントの管理が容易に
- セルに条件付き書式を適用する際、ルールの優先順位を上下ボタンで簡単に変えられるように
- シートを保護するオプションを拡充。行や列の追加削除を許すオプションを選択できるように
- CSV形式へエクスポートする設定が次回利用のために記憶されるように
ソフトウェア情報
- 「LibreOffice」Fresh版
- 【著作権者】
- LibreOffice contributors
- 【対応OS】
- Windows XP/Vista/Server 2008/7/8/Server 2012/10および64bit版のVista以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 5.4.0.3(17/07/28)