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PC-8801ゲームサウンドが蘇る ~古代祐三氏の音楽製作ツール「MUCOM88」が無償公開

Windows版もオープンソースで、開発担当は「HSP」のおにたま氏

Windows版「MUCOM88」

 ゲーム音楽作家・古代祐三氏が率いる(株)エインシャントは12月20日、音楽製作ツール「MUCOM88」を無償公開した。現在、同社のWebサイトから“PC-8801”用のディスクイメージがダウンロード可能。Windows版のオープンソース化も併せて発表されている。

 古代祐三氏といえば「イース」シリーズや「ソーサリアン」、「ベア・ナックル」シリーズ、「世界樹の迷宮」シリーズなどのゲームミュージックで有名だが、その原点ともいえるのが1987年、同氏自身によって開発された「MUCOM88」だ。

 「MUCOM88」は8ビット時代のパソコン“PC-8801”シリーズで動作し、「MML(Music Macro Language)」言語による音楽の制作が可能。FM音源チップ“YM2203”および“YM2608”(サウンドボードⅡ)で再生するためのドライバーも含まれる。当時、実際のゲームミュージック制作に使われていたノウハウが垣間見れる貴重な遺産といえるだろう。「MUCOM88」で利用できるサンプルMMLもダウンロード可能だ。

 しかし、かつての「MUCOM88」をそのまま動作させるのはハードルの高い作業だ。そこで、Windows上で「MUCOM88」を動作させるためのシステムも提供されている。Windows版の開発を担当したのは、「HSP」の作者として知られるおにたま氏のオニオンソフトウェア。オリジナル「MUCOM88」の無償化とWindows版「MUCOM88」の発表はおにたま氏の“おにたま放送局”が配信する“OBSLive”番組内で行われた。

 Windows版「MUCOM88」はコマンドライン版、GUI版の両方が用意されており、MML言語で記述された音楽を“PC-8801”の音源と同様に演奏させることが可能。また、“SCCI(Sound Chip Common Interface)”を経由することで実際のFM音源チップ(YM2608)による演奏が可能だ。対応OSはWindows XP以降で、追加のコンポーネントは必要ない。バイナリは“おにたま放送局”のWebサイトから、ソースコードは“GitHub”から入手できる。