NEWS(12/07/18 15:31)

Mozilla、「Firefox 14」の正式版を公開

Google検索がSSLで暗号化。ロケーションバーにもいくつかの改善が施される

「Firefox」v14.0.1「Firefox」v14.0.1

 Mozillaは17日、Webブラウザー「Firefox」の最新安定版「Firefox 14」を公開した。Windows XP/Server 2003/Vista/7などに対応するフリーソフトで、現在本ソフトの公式サイトや窓の杜ライブラリからダウンロードできる。また、Mac OS X/Linux向けにも、それぞれ最新版が用意されている。

 本バージョンでは、Web検索を行う際に自動で通信がSSLで暗号化されるようになった。「Firefox」では、ロケーションバー・検索ボックス・選択テキストの右クリックメニュー・スタートページという4つの方法でGoogle検索が利用できるが、そのいずれを利用しても“http://www.google.co.jp/”ではなく“https://www.google.co.jp/”(日本の場合)へ接続され、通信内容が暗号化される。ただし、現在のところ本機能に対応する検索エンジンはGoogleのみ。

Google検索を行う際に自動で通信がSSLで暗号化されるようにGoogle検索を行う際に自動で通信がSSLで暗号化されるように

 また、ロケーションバーにもいくつかの変更が加えられている。

 1つ目は、ロケーションバー左端のサイトアイコン (Favicon) 表示が廃止され、代わりにWebサイトへの接続の安全性を表すアイコンが表示されるようになったこと。これはFaviconでWebサイトへの接続があたかもSSLで暗号化されているかのように偽装するのを防ぐ措置で、セキュリティ向上への取り組みの一環といえる。なお、Faviconはタブ上で確認することが可能。

 たとえば、通信内容が暗号化されていない場合は地球のアイコンが表示されるが、SSLで暗号化されている場合はこれが鍵のアイコンになる。さらに、EV SSL証明書を導入している認証済みサイトでは、緑色の鍵マークとサイト運営者名が表示される。また、暗号化されたコンテンツと暗号化されていないコンテンツが混在しているサイトでは小さな警告アイコンが表示され、ユーザーに注意を促してくれる。

ロケーションバー左端のサイトアイコン (Favicon) 表示が廃止され、代わりにWebサイトへの接続の安全性を表すアイコンが表示されるようにロケーションバー左端のサイトアイコン (Favicon) 表示が廃止され、代わりにWebサイトへの接続の安全性を表すアイコンが表示されるように

EV SSL証明書を導入している認証済みサイトでは、緑色の鍵マークとサイト運営者名が表示されるEV SSL証明書を導入している認証済みサイトでは、緑色の鍵マークとサイト運営者名が表示される

 2つ目は、URLのインライン自動補完に対応したこと。ロケーションバーに文字を入力し始めると、以前ロケーションバーから開いたURLのうち、最も利用頻度が高いサイトのドメインが自動補完される。ディレクトリの補完にも対応しており、最小限のキーボード入力で目的のWebサイトへアクセスできる。

URLのインライン自動補完に対応URLのインライン自動補完に対応

 そのほか、ユーザーが指示するまでプラグインコンテンツをロードしないようにする“Click to Play(クリックして再生)”機能、カーソルを固定してマウスの移動量を取得しFPSゲームなどのコンテンツを実現できる“Pointer Lock”APIなどが追加された。また、Mac OS X版でMac OS X 10.7“Lion”のフルスクリーン機能へネイティブ対応しているとのこと。

 さらに、本バージョンでは全14件の脆弱性も修正されている。脆弱性の深刻度の内訳は、Mozillaの基準で4段階中最も高い“最高”が5件、2番目に高い“高”が4件、3番目に高い“中”が5件となっている。

 なお、バージョンナンバーが“14.0.0”ではなく“14.0.1”となっているのは、同日アップデートしたAndroid版「Firefox 14」のバージョンナンバーと揃えるための措置とみられる。

「Firefox」Windows版

【著作権者】
contributors to the Mozilla Project
【対応OS】
Windows XP/Server 2003/Vista/7/Vista x64/7 x64
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
14.0.1(12/07/17)

(柳 英俊)