NEWS(12/11/12 14:18)

マイクロソフト、「Office」で約58,000の異体字を利用可能にするアドインを無償公開

これまでシステムごとに外字として管理されていた異字体を統一、運用コストを削減

「Unicode IVS Add-in for Microsoft Office」「Unicode IVS Add-in for Microsoft Office」

 日本マイクロソフト(株)は12日、「Microsoft Office」で“Unicode IVD(UTS#37)”に対応した異体字を扱えるようにするアドイン「Unicode IVS Add-in for Microsoft Office」を公開した。本アドインはWindows Vista/7(32bitおよび64bit)上の「Office 2007」「Office 2010」に対応しており、現在、“CodePlex”のプロジェクトページから無償でダウンロードできる。

 これまで氏名や地名などに用いられる異体字は、さまざまなシステムで“外字”として個別に作成・管理されることが多かった。そのため、システム間で異字体を含むデータをやり取りするのが難しかった。そこで、国や独立行政法人情報処理推進機構(IPA)、マイクロソフトなどの6社から成る“IVS技術促進協議会”などが中心となり、Unicodeの仕組みを利用してこれを統一しようという試みが進められてきた。本アドインはその一環となる。

 Unicodeでは、文字を表す符号(コード)の後ろに“IVS(異字体セレクター)”と呼ばれる識別子を追加することで、意味は同じだが形が少し異なる文字“異字体”を扱うことができる。これを実際に運用するためのデータベースが“IVD(Ideographic Variation Database)”で、「IPAmj明朝」などをはじめとするフォントがこれに対応している。

 本アドインを利用すると、「Microsoft Office」と「IPAmj明朝」をはじめとする“Unicode IVD”対応フォントを組み合わせることで、およそ58,000の異体字が表示・編集・印刷できるようになる。これにより、さまざまなシステムで異字体を相互運用する際のコストが大幅に削減されることが期待される。

「Microsoft Office」と“Unicode IVD”対応フォントを組み合わせることで、およそ58,000の異体字が利用可能に(同社リリースより引用)「Microsoft Office」と“Unicode IVD”対応フォントを組み合わせることで、およそ58,000の異体字が利用可能に(同社リリースより引用)

 なお、Windows 8やWindows Server 2012では“Unicode IVD”へ標準対応しており、対応フォントをインストールするだけで異体字の入力・表示・コピーなどが可能とのこと。また、“Unicode IVD”へ対応した”Microsoft IME 拡張辞書”が、2013年1月に“IVS技術促進協議会”より無償提供される予定。

【著作権者】
日本マイクロソフト(株)
【対応OS】
Windows Vista/7(32bitおよび64bit)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-(12/11/11)

(柳 英俊)