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次期バージョンの「Microsoft Edge」ではVP9/Opusを利用したWebM形式をサポート

今夏公開予定の「Windows 10 Anniversary Update」とともに正式リリースされる見込み

「Microsoft Edge」EdgeHTML 14.14316

 米Microsoft Corporationは18日(現地時間)、ビデオコーデックに“VP9”、オーディオコーデックに“Opus”を利用した“WebM”形式を次期バージョンの「Microsoft Edge」でサポートすることを明らかにした。“Media Source Extensions(MSE)”を利用したWebストリーミングに利用できるようになるほか、「Microsoft Edge」のAPIを利用した“Windows Web Apps”でもWebM動画のストリーミング再生が行えるようになるという。

 同社はWindows 8.1から“MSE”サポートを提供しているが、当初はH.264/AVCビデオとAACオーディオを利用するFragmented MP4形式のみに対応していた。最近ではH.265/HEVCビデオとDolby Digitalマルチチャンネルオーディオを利用したMP4形式のサポートも追加されているが、これはあくまでもハイパフォーマンスメディアを視野に入れたもので、帯域の制限されるWebで扱いやすいものとはいいがたかった。

 「Microsoft Edge」ではVP9のソフトウェアデコードに加え、ハードウェアが対応している場合に限り“DXVA(DirectXのハードウェア機能)”を介したハードウェアデコードがサポートされる。ただし、システムとバッテリーへの負荷の観点から、初期状態ではハードウェアデコードが利用できる場合のみVP9サポートが有効化されるとのこと。ソフトウェアデコードでVP9を利用したい場合や、VP9サポートそのものを無効化したい場合は“about:flags”画面でオプションで設定を切り替える必要がある。

 一方、Opusはそのような懸念がないので常にソフトウェアデコードで処理される。VP9と同じく、“about:flags”画面で無効化することも可能だ。

 VP9/Opusをサポートした「Microsoft Edge」は「Windows 10 Insider Preview」Build 14291に搭載されており、今夏公開予定の「Windows 10 Anniversary Update」とともに安定版としてリリースされるとのこと(編集部にて「Windows 10 Insider Preview」Build 14316で確認)。なお、現時点ではモバイルでVP9がサポートされないので注意。Opusはデスクトップとモバイルの両方でサポートされる。

(樽井 秀人)