レビュー

Blinkの採用でパフォーマンスアップ。古き良きタブブラウザーの完成形「Ancia Chrome」

多段タブやマルチブックマーク、マウスジェスチャーといった機能をネイティブ装備

「Ancia Chrome」v0.5.6
レンダリングエンジンに“Blink”を採用

 「Ancia Chrome」は、レンダリングエンジン“Blink”を採用したタブ切り替え型のWebブラウザー。Windows 7/8/8.1/10に対応するフリーソフトで、作者のWebサイトからダウンロードできる。

 本ソフトは、タブブラウザー「Ancia」のレンダリングエンジンを「Internet Explorer」でお馴染みの“Trident”から「Google Chrome」などで採用されている“Blink”へ差し替えたもの。「Ancia」の機能と操作性はそのまま、レンダリングのパフォーマンスが大幅に改善されている。また、利用統計をGoogleへ送信する機能などは取り除かれているため、プライバシー保護に敏感なユーザーも安心して利用できるだろう。

 ユーザーインターフェースはかつて一世を風靡した“タブブラウザー”のデザインを踏襲しており、オーバーフローしたタブを複数行表示する“多段タブ”や、ブックマークを表示しておける“サイドバー”を備える。サイドバーは“マルチブックマーク”対応で、「Internet Explorer」や「Google Chrome」、「Firefox」といった他のWebブラウザーのブックマークを簡単に参照することが可能。

多段タブやマルチブックマークといった機能をネイティブで実装

 一方、検索機能はキーワード候補のサジェストに対応しており、検索後はキーワードのハイライトが可能。テキストや画像をドラッグ&ドロップして検索や保存といったさまざまなアクションを行うボタン型の4方向マウスジェスチャー(右クリックしながらマウスを上下左右へ移動)や、“ttp://”で始まるテキストをハイパーリンクに置き換えるオートテキストリンク、スクリプト機能なども幅広くサポートしており、古き良き“タブブラウザー”の完成形とでもいうべきソフトに仕上がっている。

検索機能はキーワード候補のサジェストに対応。キーワードはハイライトされる
テキストや画像をドラッグ&ドロップして検索や保存といったさまざまなアクションを行うボタン型のドロップアクションも

 こうしたカスタマイズは、「Google Chrome」や「Firefox」といった他のブラウザーでも拡張機能を導入することで一部実現できるだろう。しかし、「Ancia」は利便性や利用頻度が高いと思われる機能があらかじめネイティブで実装しているのがポイント。拡張機能を導入する手間が省けるだけでなく、ネイティブ実装された機能は拡張機能よりも処理のオーバーヘッドが少ないため、より高いパフォーマンスが期待できる。インストール不要で利用できるポータブアプリになっているので、USBメモリなどに入れて持ち運べるのもメリットだ。

ソフトウェア情報

「Ancia Chrome」Betaバージョン
【著作権者】
y-kurimoto 氏
【対応OS】
Windows 7/8/8.1/10
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.5.6(16/10/03)