レビュー

軽快に動作する多機能な音楽プレイヤー「AIMP」

イコライザーやスキンも充実、スリープ状態からでもアラームとして指定した音楽を再生可能

「AIMP」v3.55 Build 1345
標準で付属するスキン。全く雰囲気の異なるものも作者のWebサイトからダウンロードできる

 「AIMP」は、CDや各種オーディオファイルを再生するためのプレイヤーソフト。Windows XP/Vista/7/8/8.1に対応するフリーソフトで、作者のWebサイトからダウンロードできる。作者のWebサイトは英語、ロシア語のみだが、ソフト自体は日本語にも対応している。

 本ソフトは基本的に3つに分かれたコンパクトなウィンドウからなる。再生・停止などのコントロール部分、プレイリストや再生デバイスを切り替えるためのリスト管理部分、イコライザー部分など、音楽プレイヤーとしてのレイアウトは「Winamp」に似ており、軽快に動作するのが特徴だ。作者のWebサイトで視覚効果のプラグインやスキンが多数公開されているので、見た目を変えて楽しむこともできる。

 「AIMP」での音楽再生は“ASIO”や“WASAPI”に対応している。特に、“WASAPI Exclusive”に対応していることで、「AIMP」が音楽を再生中には他のソフトが音を鳴らせなくなるのと引き換えに、PCの再生リソースを最大限「AIMP」に振り向けることができる。

 音響効果には豊富な機能が用意されている。エフェクトやフェード効果の詳細などを指定できるほか、操作しやすいイコライザーを備えている。イコライザーで特徴的な点として、楽曲のタグを読み込み、タグがもつ情報に近いプリセットをトラックごとに自動で適用できる機能が挙げられる。たとえばロックのプリセットでロック音源を再生中、クラシックの楽曲に移った時に自動でクラシックのプリセットに切り替わり、手動でプリセットを変更する手間が省ける。

表示されている機能のほかに、エコーやリバーブ、音量の最適化なども行うことができる
イコライザーの自動切り替えは、楽曲がプリセットに存在しないタグをもっている場合、希望のプリセットが選ばれるとは限らない

 また、「AIMP」では、ソフトの最小化時の挙動を細かく設定できる。その中で特徴的なのが“トレイコントロール”機能だ。この機能を有効にすると、最小化を指定された際にミニプレイヤーをタスクトレイの傍へ残しておくことができる。ミニプレイヤーは単体で音楽の再生、曲送りなどが行えるもので、更にカーソルを合わせると、追加で曲の情報表示や再生位置の設定などを行えるバーを呼び出すことができる。そのほか、Windowsのタスクバーから曲送り、一時停止などの簡単な操作を行うこともできる。

 変わった機能として、指定した楽曲を時間になると鳴らすことのできる機能が挙げられる。これはPCがスリープ中でも有効で、PCの中に好みの楽曲を入れておけば、目覚まし代わりに使うこともできる。

常に最前面に表示したり、再生中の曲の情報をクリップボードに送る機能も備える
目覚ましには特定のファイルだけでなく再生リストも利用可能

ソフトウェア情報

「AIMP」
【著作権者】
Artem Izmaylov 氏
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/8/8.1
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
3.55 Build 1345(14/03/26)

(市川 祐吉)