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「EmEditor」v25.3がリリース ~「GPT-5」対応、自然言語でタスクの依頼が可能に
AI機能を引き続き強化、類似度で並べ替え、Markdown/HTML統合ツールバーも
2025年8月22日 06:45
米Emurasoftは8月21日(日本時間)、テキストエディター「EmEditor Professional」の最新版v25.3.0を正式公開した。v25.3.0では、生成AI機能を引き続き拡充。「ChatAI」プラグインがGoogleプロバイダーをサポートしたほか、OpenAIの最新鋭AIモデル「GPT-5」にも対応した。
さらに、「EmEditor」の機能の一部をAIに公開し、ツールとして呼び出す機能も実装された(ツール呼び出し)。たとえば[AI とチャット]パネルを使い、「EmEditor」で開いている文書について『この文書からメールアドレスを抽出して』などと自然言語でさまざまなタスクを依頼することができる。
なお、ツール呼び出しはプロンプトの入力画面のボタンでON/OFFが可能。青くなっていればツールの呼び出しが可能な状態だ。また、設定画面でどのツールをAIと連携するかをユーザー側で決定できる。そのほかにも、[カスタマイズ]ダイアログの[AIオプション]ページでは、最大トークン数や温度(ランダム性)などを指定できるようになっている。
新機能としては、[類似度で並べ替え]コマンドが挙げられる。類似度の算出には、v22.0.0で導入されたあいまい一致でも用いられている「レーベンシュタイン距離」(編集距離)が用いられており、大文字小文字を区別しないオプションも利用可能。たとえば名前や住所を含む名簿のCSVファイルで『Michael』と入力されたセルを選択した状態で[類似度で並べ替え]を実行すると、『Micheal』、『Mike』といったように似た名前から順に並べ替えられる。
また、v24.4で導入された[Markdown]ツールバーにHTML関連の機能が統合され、[Markdown/HTML]ツールバーになった。MarkdownモードとHTMLモードは、編集中の文書タイプに応じて自動で切り替わる。これに伴い、従来の[HTMLBar]プラグインは廃止された。
そのほかの変更は以下の通り。
- 「EmEditor」の起動を高速化(v25.0比で1.90倍)。[頻出文字列を抽出]コマンドも大幅に高速化された(v25.2比で1.42~4.44倍)
- 正規表現のハイライト文字列に特別なキーワードを用いて「(?#_text_c!=17)」のような追加条件を指定してより柔軟な強調表示ができるように
- フィルター適用後に[頻出文字列を抽出]を実行する際、フィルタリング結果に基づいて抽出するように
- 並べ替え後のカーソル位置が並べ替え後の位置へジャンプするように。並び替え後に行う[類似度で並べ替え]が容易に
- [カスタマイズ]ダイアログに加え、[マクロのカスタマイズ]ダイアログや設定のプロパティでも、既定から設定を変更した際にページタイトル横にアスタリスク(*)が表示される
「EmEditor Professional」は、Windowsプラットフォームで定番のテキストエディター。プラグインで機能を拡張できるのが特徴で、CSVデータを扱うための機能も非常に充実している。64bit版のWindows 8.1/Server 2012 R2以降に対応するシェアウェアで、現在同社のWebサイトや窓の杜ライブラリからダウンロード可能。インストーラー版・ポータブル版のほかにも、「Microsoft Store」から入手できるストア版が用意されている。
なお、本バージョンより製品登録前の試用期間が30日から7日間になった。試用期間が終了した後は、個人利用に限り機能制限のある無償版「EmEditor Free」として使える。また、8月28日から価格が改定される点にも注意したい。
ソフトウェア情報
- 「EmEditor Professional」
- 【著作権者】
- Emurasoft, Inc.
- 【対応OS】
- 64bit版のWindows 8.1/10/11およびWindows Server 2012 R2以降
- 【ソフト種別】
- 年額7,200円(2年目以降は初年度の75%)など(試用期間後は、個人利用のみで一部機能の制限された「EmEditor Free」として使用可能)
- 【バージョン】
- 25.3.0(25/08/21)