レビュー
マルチブラウザー対応の“HTML5 Video”タグを生成するツール「Easy HTML5 Video」
動画の追加、設定、出力の3ステップでお手軽。Flashへのフォールバックにも対応
(2014/5/27 17:00)
「Easy HTML5 Video」は、動画ファイルを変換してマルチブラウザー・マルチプラットフォームに対応した“video”タグを生成できるツール。Windows/Macに対応しており、編集部にてWindows 8.1で動作を確認した。非商用に限り無償で利用可能で、本ソフトの公式サイトからダウンロードできる。
プラグインフリーのビデオ再生を謳う“HTML5 Video”は、Webサイトへ動画を埋め込む標準的な方法として普及が期待されている。しかし、実際はブラウザーの種類やバージョン、またはプラットフォームによってサポートされているコーデックがまちまちで非常に使いにくい。
たとえば、“MP4”形式ならば「Internet Explorer」や「Google Chrome」、iPhone/iPad、Androidなどのブラウザー・プラットフォームで再生できるが、「Firefox」だけは対応しておらず、ユーザーにプラグインをインストールしてもらうか、別途“WebM”形式や“Ogg Theora Vorbis”形式の動画ソースを用意する必要がある。また、「Internet Explorer 8」以下のバージョンでは“HTML5 Video”そのものがサポートされておらず、Flashプレイヤーなどの代替手段を用意して切り替えられるようにする必要がある(フォールバック)。
本ソフトは、そういった煩わしい手間を手軽に解決できるツール。“FFmpeg”で各プラットフォーム向けの動画ソースを複数生成し、マルチブラウザーに対応した“video”タグを出力してくれる。
使い方は簡単。まず「Easy HTML5 Video」を起動し、動画ファイルを画面へドラッグ&ドロップして追加しよう。すると、変換オプションの指定画面へ切り替わる。
次に、出力する動画の形式を指定しよう。本ソフトではMP4/WebM/Ogg/FLV形式が選択可能で、画面左上にある“Option”欄で個別にON/OFFできる。“Option”欄を変更すると“Browser Support”欄に表示されるブラウザーやプラットフォームの対応状況が変化するので、それを見ながら出力する動画の形式を決めればよい。そのほかにも、“video”要素が停止状態のときに表示される“ポスター(Poster)”画像を指定したり、幅や高さ、品質、コントローラーの有無や自動再生、ループといったオプションも指定可能。[Start]ボタンを押すと、動画の変換処理が始まる。
変換処理が終了すると、出力ダイアログが現れる。出力ダイアログでは、生成したファイル一式(動画ファイル、HTMLファイル、ポスター画像ファイル、「Apache」の設定ファイルなど)を指定したフォルダへ出力する方式のほか、FTPサーバーへの出力、既存ページへのタグの挿入といった方式が選択可能。既存ページへの挿入を選択すると、GUIのタグ編集画面が現れ、生成した“video”タグを任意の箇所へ挿入できるようになる。
なお、無料版では変換した動画の右上に小さな透かしが挿入されるので注意。この透かしを除去するには、有償のライセンスを購入する必要がある(価格は49米ドルより)。有償ライセンスでは商用サイトでの利用も認められるほか、1年間のサポートなどが提供される。
ソフトウェア情報
- 「Easy HTML5 Video」
- 【著作権者】
- EasyHtml5Video.com
- 【対応OS】
- Windowsなど(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(非商用のみ)
- 【バージョン】
- 2.7