レビュー

“WMI”でさまざまなシステム情報を取得できるシンプルなツール「SimpleWMIView」

実行ファイル単体で動作するポータブルアプリ

「SimpleWMIView」v1.00

 「SimpleWMIView」は、システムに関するさまざまな情報を取得できるツール。64bit版を含むWindows XPから10までに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、作者のWebサイトからダウンロードできる。

 本ソフトは、“Windows Management Instrumentation(WMI)”へ問い合わせて、システムに関するさまざまな情報を取得するツール。

 “WMI”とはWindowsのシステム管理を行うためのインターフェイスで、おもにスクリプトやプログラミング言語でシステムのイベント情報を取得したり、システムの設定や状態を変更したりするために用いる。また、リモートPCの情報を照会したり、操作することも可能。Windows Me/2000以降のOSに標準で搭載されているので、最近のPCであれば利用できるはずだ。

 本ソフトから“WMI”を利用するには、まず“名前空間(Namespace)”と“クラス(Class)”を指定する。たとえば、システムにインストールされているアプリケーションを列挙したい場合には、名前空間に“root\CIMV2”(“CIMV2”は“Common Information Model version 2”の略)、クラスに“Win32_Product”を指定して、[Update]ボタン(または[F5]キー)を押せばよい。同様に、プロセス一覧を取得したい場合は“Win32_Service”クラス、バッテリー情報を取得したい場合は“Win32_Battery”クラスを選択しよう。名前空間とクラスはプルダウンメニューで選択できるようになっており、わざわざ名前空間とクラスを入力する必要はない。

 さらに、クラスの代わりに“クエリ(Query:問い合わせ)”を入力することも可能。クエリの構文はSQLのサブセットになっており、SELECT句やWEHERE句、LIKE演算子などを使った、ごく基本的な問い合わせを行うことが可能。たとえば“Select * From Win32_Directory Where FileName = 'Windows'”というクエリを入力して[Update]ボタンを押せば、名前に“Windows”を含むフォルダーを列挙できる。システムの管理までは行えないが、情報を取得するためのシンプルなツールがほしい場合にはぴったりだ。

 これらの結果は、HTML形式のレポートとして出力したり、クリップボードへコピーすることが可能。実行ファイル単体で利用できるポータブルアプリになっているので、USBメモリなどに入れておけば役に立つこともあるだろう。

ソフトウェア情報

「SimpleWMIView」
【著作権者】
Nir Sofer 氏
【対応OS】
64bit版を含むWindows XPから10まで
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
1.00(15/05/05)

(樽井 秀人)