レビュー

秘密のデータを保存したHDDを処分する前に使いたい「MiniTool Drive Wipe Free」

パーティション単位またはドライブ単位でデータの完全消去が可能

「MiniTool Drive Wipe Free」

 「MiniTool Drive Wipe Free」はハードディスク内のデータを完全に消去するためのツール。Windows 2000/XP/Vista/7/8に対応しており、編集部にてWindows 8.1で動作を確認した。個人の非商用目的での利用に限り無償で利用可能で、作者のWebサイトからダウンロードできる。

 Windows上で“ごみ箱”へファイルを送り、その後ごみ箱を空にしても、ハードディスクなどから完全にデータが消去されるわけではない。ディスク上にはデータの実体が残っており、データの復旧ソフトなどを用いることでこうしたデータを復旧できる場合もある。

 そこで、ハードディスクを処分する前に本ソフトを利用すると、ハードディスクなどのセクターへデータを上書きすることで、データの復元を困難にすることが可能。どのようなデータを何回書き込むかで復元の困難さは変化し、複雑なデータを何回も上書きすることで、より困難になる仕組み。

 メイン画面は非常にシンプルで、特定のパーティション内のデータを消去したい場合には[Wipe Partition]ボタン、物理ドライブ単位でデータを消去したい場合は[Wipe Disk]ボタンを選択しよう。

 次に、パーティション内のデータを消去する場合はパーティションを、物理ドライブ単位でデータを消去する場合はドライブをそれぞれの一覧画面から選択し、[Next]ボタンで警告メッセージが表示される。了解すると表示されるディスクへ上書きするデータのパターンを選択する画面で、パターンを選択して[Finish]ボタンを押そう。あとは最終確認のダイアログが表示されるので、[Yes]ボタンを押せばデータの完全消去を開始可能。

パーティション一覧から削除したいパーティションを選択する
ドライブの削除は物理ドライブ単位で行われることに注意
データの上書き方法の選択画面。下にいくほど復元は困難になるが、時間がかかる

 データの上書き方法は5パターン用意されており、“Fill Sectors with Zero”“Fill Sectors with One”はそれぞれ“0”もしくは“1”のデータで、“Fill Sectors with Zero & One”は“0”と“1”のデータで1回ディスクを埋める。さらに、米国国防総省で採用されている方式に準拠し、特定の文字列を3回書き込む“DoD 5220.22-M (3 passes)”、7回の書込みを行う“DoD 5220.28-STD (7 passes)”が用意されている。

 本ソフトは非常に手軽にハードディスク内のデータを完全消去できる反面、誤って消去されたデータを復旧するのは非常に困難なため利用には慎重を期したい。

ソフトウェア情報

「MiniTool Drive Wipe Free」
【著作権者】
MiniTool Solution Ltd.
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7/8(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(個人の非商用目的での利用に限る)
【バージョン】
-

(市川 祐吉)