レビュー
高度なテキスト処理が可能なクリップボード履歴&定型文ツール「Clipboard History」
日時や計算結果の挿入、文字種変換やソートなど多彩な機能を利用可能
2016年4月6日 05:05
「Clipboard History」は、クリップボード履歴の管理と定型文の挿入が可能な常駐ツール。64bit版を含むWindows XP/7/8/10に対応するフリーソフトで、ベクターのライブラリからダウンロードできる。
クリップボード履歴管理や定型文挿入はオンラインソフトの定番ジャンルのひとつだが、その中でも本ソフトの特徴は、定型文挿入においてさまざまな入力支援機能を利用できること。現在日時や選択したファイルのパス名を挿入したり、ダイアログで計算式を入力して結果を挿入したりと多くの機能が用意されている。
さらに、選択範囲やクリップボード内のテキストに対して、文字種変換、引用記号の追加や削除、ソートや重複行削除など、定型文挿入に限らない高度なテキスト処理を行うことが可能。テキストを改行やタブで分割してクリップボードへ複数まとめて格納したり、クリップボード履歴から選んだテキストを加工して挿入したりと、クリップボード履歴機能との連携も本ソフトならではの特徴だ。
こうした定型文やテキスト処理の設定は、テキスト形式の設定ファイルを編集して行う。さまざまなコマンドを記述して機能を実現するやや玄人向けの作りだが、豊富なサンプルが用意されているので、これを参考にしながら自分用の設定を作るとよいだろう。複数のコマンドをパイプ処理により連結させた複雑な処理も可能となっている。
定型文はメニュー形式で一覧表示され、設定ファイルの記述によりサブメニューを用いた階層化も可能。設定ファイルでは一覧を表示するホットキーのカスタマイズもでき、同じキーの2連打にも対応する。複数のホットキーを設定することで、複数の定型文メニューを使い分けることもできる。
クリップボード履歴の機能では165個までのテキストを記録でき、メニューから選択したテキストをカーソル位置へ貼り付けられる。16件以上の履歴はサブメニューで表示する方式。こちらも設定ファイルによりホットキーなどをカスタマイズ可能だ。先にコピーしたテキストから順に貼り付けていくFIFOペースト(先入れ先出し)モードや、最新10件までの履歴をワンキーで直接貼り付けられるようになるダイレクトペーストモードも備えている。
このように機能的に必要十分なものを備えたツールだが、Windows標準のメニューをベースとしたシンプルなインターフェイスやUnicode対応、64bit版バイナリ同梱など、常用ツールとしての使い勝手もよい。
ちなみに、本ソフトの作者はノベルゲーム「ひまわり」などで知られる同人サークル“ぶらんくのーと”のごぉ氏。最近では商業ゲームのシナリオや小説の執筆、漫画原作なども手がけている。
ソフトウェア情報
- 「Clipboard History」
- 【著作権者】
- ごぉ 氏
- 【対応OS】
- 64bit版を含むWindows XP/7/8/10
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.0.1