【第29回】
独自の入力方式を備えた日本語入力アプリ「ATOKトライアル」
花びらのようなポップアップでかな文字を入力する“フラワータッチ”を搭載
(10/12/01)
スマートフォン向けOS“Android”用アプリのライブラリサービス“Androidマーケット”(以下、“マーケット”)には、日々すばらしいアプリが次々と登場している。しかし現在のマーケットは人気アプリや定番アプリにたどり着くための仕組みが弱く、大量のアプリを前に途方にくれてしまう場面も多い。そこで『杜のAndroid研究室』では、さまざまなテーマに沿って窓の杜スタッフが厳選したアプリを紹介していく。今回は、11月26日に(株)ジャストシステムより公開された日本語入力アプリ「ATOKトライアル」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介する。
2月末日までは無料で利用できる
「ATOKトライアル」は、日本語入力アプリ“ATOK”シリーズのAndroid版。正式版ではなく体験版的な位置付けになっており、対応機種はNTTドコモの“Xperia”と“GALAXY S”に限られているものの、PC版などで定評のある高精度の日本語変換を2011年2月28日までは無料で利用できるのが魅力。また、英単語の予測変換機能を備えるほか、日本語にこだわるジャストシステムらしい独自の機能を備えているのもうれしい。
一見奇抜だが慣れれば使いやすい“フラワータッチ”方式の入力
まず目につくのは、独自の入力方式“フラワータッチ”だろう。“あ”行から“わ”行までが割り振られたテンキーにタッチすると上半分が5枚の花びらのようになったポップアップが表示され、指を花びらへスライドさせることでかなを入力できる仕組み。ポップアップの下半分へ指をスライドさせると、入力するかなに濁点や半濁点をつけたり、“っ”“ぁ”といった小文字へ切り替えられる。
一見奇抜な印象を受けるが、試してみるとフリック入力で使う上下左右へのスライド操作に斜め上への動きが加わっただけで、とくに入力しづらい印象はなかった。また、思ったより頻繁に使う濁点などの入力が1タッチで行えるため、慣れればストレスなく入力が可能になるだろう。もちろん、一般的なフリック入力や携帯電話式の入力、ソフトキーボードによる入力も可能だ。
かな入力以外の機能も充実
記号の入力画面もひと味違う。一般的な日本語入力アプリでは記号を“半角”“全角”といったジャンルで分類しているが、本アプリでは“括弧”“矢印”といったジャンルで分類されている。ジャンルはタブで切り替えることが可能で、半角の記号には文字の右下へ“半角”の文言が付加されている。
また、アスキーアートの顔文字を入力する機能も備えるほか、iモードと同じメールアドレスを使えるメールアプリ「spモードメール」に文字を入力する際は、ドコモ用の絵文字を利用することも可能。
さらに、定型文入力機能を備えており、あらかじめよく使われる定型文が登録されている。定型文は“インターネット”“ビジネス”“プライベート”といったジャンルで分類されており、ポップアップリストで切り替えることが可能。また、設定画面からオリジナルの定型文を登録することもできる。
対応機種の拡充が期待される
ジャストシステムによると2011年3月1日までに有償版が提供されるとのこと。有償版の価格や対応機種は未定だが、NTTドコモ以外のAndroid端末にも対応することを期待したい。
- 【著作権者】
- (株)ジャストシステム
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(2011年2月28日まで)
- 【バージョン】
- 0.9.0