杜のAndroid研究室

クラウドの文書ファイルをAndroidで閲覧「KINGSOFT Office for Android」

オンラインストレージ“KDrive”にアクセス可能な文書ファイルビューワー

(11/06/08)

「KINGSOFT Office for Android」「KINGSOFT Office for Android」

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、オンラインストレージと連携する文書ファイルビューワー「KINGSOFT Office for Android」を紹介する。

端末に保存された文書ファイルを閲覧

 「KINGSOFT Office for Android」は、「Microsoft Office」のファイルや画像ファイルなどをAndroidで閲覧できるビューワーアプリ。Android端末に保存しているファイルだけでなく、キングソフトが提供しているオンラインストレージ“KDrive”にアクセスし、インターネット上に保存しているファイルを閲覧可能。閲覧できるのは、DOC/XLS/PPTなどの文書ファイルと、JPEG/PNG/BMP/GIFの画像ファイル、TXTファイル。なお、「Microsoft Office 2007」以降で使われているファイル形式のDOCX/XLSX/PPTXには対応していない。

 Android端末本体やSDカードに保存している文書ファイルなどを閲覧するときは、本アプリの起動後の画面で[Device]ボタンをタップし、ファイルマネージャー風の画面で閲覧したいファイルを指定する。本アプリで閲覧できるファイルは、ファイル名の左側にファイルの種類を示すアイコンが表示される仕組み。ファイル閲覧画面では2本指で画面を同時にタッチするピンチ操作で、ファイルを拡大・縮小して閲覧可能。

 本アプリと連携できるファイルマネージャーアプリをインストールしている場合、ファイルマネージャーで文書ファイルなどを探し、本アプリで開いて閲覧することも可能だ。ファイルマネージャーアプリを使用する際は、閲覧したいファイルをタップし、表示されるポップアップで[Kingsoft Office]を選択すると、本アプリが起動し、ファイルを閲覧できる。

[Device]をタップすると端末内のファイル一覧が表示される[Device]をタップすると端末内のファイル一覧が表示される

閲覧したいファイルをタップ閲覧したいファイルをタップ

「Microsoft Office」の文書ファイルなどを閲覧できる「Microsoft Office」の文書ファイルなどを閲覧できる

ファイルマネージャーアプリから本アプリを呼び出してファイルを閲覧ファイルマネージャーアプリから本アプリを呼び出してファイルを閲覧

“KDrive”に保存した文書ファイルを閲覧

 本アプリの魅力のひとつが“KDrive”と連携できる点だ。“KDrive”は、会員登録すれば無料で2GBの容量が使えるオンラインストレージ。Webブラウザーや専用のクライアントソフトからファイルをアップロードして、インターネット上に保存できる。

 “KDrive”には、Windows用のクライアントソフト「KDriveクライアントソフト」が用意されている。「KDriveクライアントソフト」をインストールすると、PC上で仮想ドライブ“KDrive”がマウントされ、このドライブ内に保存したファイルはオンライン上の“KDrive”と自動で同期可能。仮想ドライブ内でファイルを更新すれば、アップロードの操作を行わなくても、オンラインストレージのファイルを常に最新の状態へ保てる仕組みだ。

 “KDrive”にアップロードしているファイルを本アプリで閲覧するには、起動後の画面で[Online]ボタンをタップし、次の画面で会員登録したメールアドレスとパスワードを入力してログインしよう。“マイ ドキュメント”“共有されたファイル”“共有したファイル”というフォルダ一覧が表示されるが、自分がアップロードしたファイルは“マイ ドキュメント”に保存されている。

 閲覧したいファイルをタップするとダウンロードが行われ、ダウンロード後にファイルが開く。なお、PDFファイルなどの本アプリで閲覧できない形式のファイルでも、別途ビューワーアプリをインストールしていれば、本アプリでファイルをダウンロードし、ビューワーアプリで閲覧できる。

メールアドレスとパスワードを入力してログインメールアドレスとパスワードを入力してログイン

“KDrive”にアップロードしているファイルは“マイ ドキュメント”内にある“KDrive”にアップロードしているファイルは“マイ ドキュメント”内にある

ファイルをタップするとダウンロードが開始ファイルをタップするとダウンロードが開始

ダウンロード後、ファイルの内容が表示されるダウンロード後、ファイルの内容が表示される

共有ファイルもAndroidで閲覧

 “KDrive”では、ユーザー同士でファイルやフォルダを共有する機能も備えている。共有する際には、ファイルの閲覧のみを許可するか、ファイルの編集も許可するかという権限が設定可能。ほかのユーザーから共有されたファイルは、本アプリ上の“Online”画面のフォルダ一覧にある“共有されたファイル”フォルダから閲覧できる。自分がほかのユーザーに共有したファイルは、フォルダ一覧の“マイ ドキュメント”以外にも“共有したファイル”から閲覧可能だ。

 本アプリでファイルを共有する操作はできないが、AndroidのWebブラウザーで“KDrive”のサイトにアクセスしてログインすれば、ファイルやフォルダの共有の操作を行うことが可能。

ほかのユーザーから共有されたファイルは“共有されたファイル”内にあるほかのユーザーから共有されたファイルは“共有されたファイル”内にある

Webブラウザーであればファイル共有の操作も可能Webブラウザーであればファイル共有の操作も可能

さっき見たファイルを履歴からすばやく開く

一度閲覧したファイルは[History]からすばやく開ける一度閲覧したファイルは[History]からすばやく開ける

 本アプリで一度開いたことのあるファイルは、アプリ起動後の画面の[History]ボタンからすばやく開ける。ファイル一覧から閲覧したいファイルを探す手間が省けて便利だ。また、オフライン時でも“KDrive”からダウンロードしたファイルを閲覧可能。ただし、履歴から“KDrive”のファイルを開いた場合、ファイルは最後にダウンロードしたときの状態となっているので、更新されている可能性があるときは、[Online]から再度ダウンロードしたほうがよいだろう。

 このように、「KINGSOFT Office for Android」は、文書ファイルビューワーとオンラインストレージクライアントを組み合わせたユニークなアプリとなっている。Android端末からファイルをアップロードできないなど、オンラインストレージのクライアントとしてはやや物足りない面もあるが、“KDrive”を日頃使っている人にはオンラインストレージ内の文書ファイルを手軽に閲覧できて重宝するアプリになるだろう。

【著作権者】
キングソフト(株)
【対応OS】
Android 2.1以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0(11/05/20)

(ライターズハイ:鈴木 友博)