【第107回】
Office文書を閲覧・編集・新規作成できる「KINGSOFT Office for Android」
“Google ドライブ”や“Dropbox”などのオンラインストレージとも連携可能
(12/08/01)
『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、「Microsoft Office」のファイルをAndroidで閲覧・編集・新規作成できる統合オフィスアプリ「KINGSOFT Office for Android」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。
文書ファイルの編集・新規作成が可能で、“Google ドライブ”“Dropbox”に対応
「KINGSOFT Office for Android」は、「Microsoft Office」の文書ファイルをAndroidで閲覧・編集・新規作成できるオフィスアプリ。Android端末に保存しているファイルだけでなく、オンラインストレージに保存しているファイルの閲覧・編集が可能で、キングソフトが提供しているオンラインストレージ“KDrive”のほか、“Google ドライブ”と“Dropbox”に対応している。閲覧・編集・新規作成ができるのは、DOC/DOCX/XLS/XLSX/PPT/PPTXなどの文書ファイルとTXTファイル。PDFファイルは閲覧のみ可能となっている。さらに、“Google Cloud Print”を利用してネットワーク経由でAndroid端末から直接印刷を行うことも可能。
本連載では、すでに本アプリのv1.0を紹介しているが、Android端末と“KDrive”のファイルのみを閲覧できるビューワーアプリだったv1.0から大幅に強化され、編集や新規作成も可能な統合オフィスアプリに進化している。本アプリは、Androidスマートフォンでももちろん利用できるが、今回は文書ファイルの編集に適した大画面のAndroidタブレットを使って紹介しよう。
端末内やオンラインストレージの文書ファイルを閲覧・編集
起動画面上部のツールバーには、左右の端にボタンが並んでいて、どれかひとつを押すと、その下へ詳細なツールバーが表示される。Android端末本体やSDカードに保存している文書ファイルを閲覧するときは、詳細ツールバーの[参照]ボタンを押すと表示されるファイルマネージャー風の画面からファイルを探し、選択して開くことが可能。
また、オンラインストレージに保存している文書ファイルを閲覧するときは、あらかじめ詳細ツールバーで[クラウド]ボタンを押し、次の画面で“KDrive”“Dropbox”“Google Drive”のいずれかを選択してログインしておこう。ログイン後、[クラウド]ボタンから表示できる各オンラインストレージのフォルダからファイルを選択すると、ダウンロードが行われたのちに本アプリで閲覧・編集可能だ。また、オンラインストレージへのアップロードにも対応している。なお、“Google ドライブ”のファイルの場合、Google ドキュメント形式の文書ファイルもダウンロードして閲覧・編集することができる。
ファイルを閲覧・編集したあとで起動画面に戻ると、画面には過去に開いたしたファイルが“履歴”として並んでいて、左右にフリックして切り替えられる。ファイルをタップで選択することで、再度開くことが可能だ。
テキストの修正だけでなく、高度な編集が可能
文書ファイルの編集は、日本語入力アプリのほか、画面上部に表示されるMicrosoft Office風のツールバーを用いて行い、テキストの加筆・修正だけでなく、文字の色やサイズの変更など、高度な編集が可能。ワープロ文書やテキストファイルでは、修正したい箇所をタップすれば日本語入力アプリを起動できる。また、表計算文書やプレゼンテーション文書では、編集したいセルなどをダブルタップすることで日本語入力アプリを起動可能。
テキストをタッチして選択したあとで、画面上部のツールバーの各ボタンを選択し、コピー&ペーストのほか、文字の色やサイズの変更、太字や斜体などの装飾が可能。また、左寄せ・中央寄せ・右寄せなどの文字揃えなども行うことができる。表計算文書では、セル選択時に画面中央に表示される入力バーの左端にある[T]ボタンを押すと、本アプリ内蔵の数字入力キーボードが表示され、数字や計算記号などを入力可能。さらに、[f(x)]ボタンを押して表示される関数リストから関数を選択して入力することもできる。関数は日本語入力アプリから英数字で入力することも可能で、途中まで入力すると候補の関数一覧がポップアップして選択可能だ。
プレゼンテーション文書ではスライドショーの実行が可能で、ボタンのタッチや画面をなぞるジェスチャーでスライドを切り替えられるほか、スライドの切り替えを立体的に見せるなどの演出を加えることも可能。
上書き・別名保存を選択でき、オンラインストレージにアップロード可能
ファイルの編集後には、ツールバー左の[上書き保存][名前をつけて保存]ボタンから、上書き保存と別名保存が可能。別名保存の際には、たとえばDOCXをDOCに変更するなど、拡張子を選択することができる。また、オンラインストレージからダウンロードしたファイルを編集し、上書き保存後に画面右上の[×]ボタンでファイルを閉じる操作を行うと、表示されるポップアップから編集後のファイルをオンラインストレージにアップロード可能。オンラインストレージのファイルを直接編集するような感覚で、Android端末で更新できるのが特徴。
起動画面に表示される履歴からファイルをオンラインストレージにアップロードすることも可能。画面を左右にフリックしてアップロードしたいファイルを選択したら、詳細ツールバーを表示し、[クラウドへ送信]ボタンを押せばよい。オンラインストレージのファイルを上書き保存した場合、同じオンラインストレージにしかアップロードできないが、別名保存したファイルや端末内から開いたファイルの場合は、アップロード先のオンラインストレージを選択可能。
また、詳細ツールバーの[アプリで送信]ボタンを押すと、連携するメールアプリを選択して、ファイルを添付したメールを送信できる。ワープロ文書の場合、編集画面からもファイルのメール送信ができ、ツールバーの[共有]ボタンからファイルをメール添付できるほか、メール本文に文書内のテキストを貼り付けて送信することも可能。
文書の新規作成も可能なほか、暗号化やクラウド印刷にも対応
文書ファイルを新規作成するときは、起動画面の詳細ツールバーの[新規作成]ボタンから、ワープロ・テキスト・表計算・プレゼンテーションというファイルの種類を選択して新規作成が可能だ。新規作成したファイルも、編集したファイルと同様に端末内へ保存したり、オンラインストレージにアップロードできる。
そのほか、ファイルの暗号化にも対応し、ファイルの閲覧や編集にパスワードロックをかけることが可能。また、表計算ファイルの場合、Googleのクラウド印刷サービス“Google Cloud Print”を利用して、設定されたプリンターでシートを印刷することができる。
なお、本アプリはインストール後、7日間利用できる無料試用版となっていて、試用期間終了後にはファイルの保存機能がロックされ、以降は文書ファイルの閲覧のみが可能となる。ロックを解除するには、2,980円(税込み)の「KINGSOFT Office KEY」を購入する必要がある。
- 【著作権者】
- キングソフト(株)
- 【対応OS】
- Android 2.1以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(7日間、制限解除する場合は2,980円(税込み))
- 【バージョン】
- 4.7(12/06/26)