杜のAndroid研究室

第137回

Googleのオンラインメモサービスの公式アプリ「Google Keep」

テキストや写真をすばやくメモして同期。背景色による分類も可能

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、Googleが提供するオンラインメモサービス“Google Keep”の公式アプリ「Google Keep」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。

新たに公開されたオンラインメモサービス“Google Keep”の公式アプリ

「Google Keep」

 「Google Keep」は、Googleが先日、公開したばかりのオンラインメモサービス“Google Keep”の公式クライアントアプリ。“Google Keep”は、テキストや写真などをすばやくメモしてオンラインに保存できるサービスで、Androidアプリのほか、PCなどのWebブラウザーからも利用可能。同一のGoogleアカウントを使うことでオンラインのメモを同期でき、複数の端末から閲覧・編集することが可能となっている。

 アプリの起動後、Googleアカウントを選択すると利用を開始でき、画面上部にツールバーの配置されたメモ一覧画面が表示される。簡易的にテキストをメモするときは、ツールバー上部の入力エリアをタッチして入力を行い、日本語入力アプリの[完了]ボタンなどを押すとすばやくメモを保存可能。保存したメモは画面下部に一覧表示されるとともにオンラインに同期される。なお、メモをオンラインと同期するためには、端末の設定画面において、Googleアカウントの[同期]項目で“Keepを同期”のチェックボックスをONにしておく必要がある。

“メモを追加”と書かれた入力エリアをタッチすれば、メモの入力を開始可能
テキストを入力し、日本語入力アプリの[完了]などのキーを押せば、メモを保存できる

 また、ツールバー下部の4つのアイコンからは、メモの種類を選択してメモ作成を行える。一番左のメモ用紙型アイコンをタッチすると、詳細なテキストメモ作成画面が表示されてメモにタイトルを付けられるほか、複数行の本文を書き込むことが可能。画面左上の“Google Keep”アイコンをタッチすることでメモを保存できる。また、ツールバーのチェックマーク型アイコンからは、チェックボックス付きのリストを作成可能。

ツールバーのメモ用紙型アイコンをタッチして表示される画面では、詳細なテキストメモを入力可能
チェックボックス付きのリストを作成でき、ToDo管理などにも利用できる

 ツールバーのマイク型アイコンをタッチすると、メモ作成画面でAndroidの音声認識機能が起動し、テキストを音声入力することが可能。音声をテキスト化して入力できるとともに、音声自体が保存されるようになっていて、あとから音声を再生して確認できるのが特徴。急いでいるときなど、音声認識されたテキストを修正している暇がない場合に便利な機能だが、音声を保存できるのはAndroid 4.1以降の端末のみで、それ以前の端末では音声は保存できずテキストの音声入力のみが可能だった。

 また、ツールバーのカメラ型アイコンからは、カメラで撮影した写真にタイトルやメモを加えて保存することが可能。ただし、本アプリで保存できるのは、その場で撮影した写真のみで、端末内に保存してある画像を選択して保存することはできない。なお、テキストメモなどの作成画面でも、右上のカメラ型アイコンから写真を追加して保存することが可能だ。

ツールバーのマイク型アイコンからは、テキストを音声入力するとともに、音声自体を保存できる(Android 4.1以降)
その場で撮影した写真にタイトルやメモを加えて保存することが可能

背景色やアーカイブでメモを整理でき、検索機能も備える

 作成した各メモの背景色を8色から選択できるのも“Google Keep”の特徴のひとつだ。メモのジャンルごとに背景色を変更することで、一覧画面から目的のメモを探しやすくなる。メモの作成時に画面上部のパレット型アイコンから背景色を選択できるほか、一覧画面からメモを選択したときの編集画面で背景色を変更可能。また、ツールバーの入力エリアから簡易的にメモするときにも背景色を選択でき、次回以降は入力エリアから作成するメモに同じ背景色を適用することが可能になる。

 一覧画面ではメモがカード状に並んで表示されていて、各メモを左右にフリックすることで、アーカイブして一覧から非表示にすることが可能。アーカイブしたメモは、一覧画面を下にスクロールしたときに最下部に表示される“アーカイブ済みのメモを表示”をタッチすれば閲覧可能。また、メモを削除したいときは、メモ一覧またはアーカイブ一覧でメモを長押しして選択し、画面右上のごみ箱型アイコンをタッチすればよい。なお、メモを長押しで選択した際に、画面上部の共有アイコンをタッチすると、ほかのアプリを呼び出してメモをメール送信することなどができる。

 また、一覧画面のメニューから[リスト表示]項目を選択すると、メモを縦一列に並べて閲覧することが可能。

作成画面や編集画面の上部にあるパレット型アイコンから、メモの背景色を選択することが可能
各メモを左または右にフリックするとアーカイブでき、一覧画面で非表示にできる
一覧画面でメモを長押しして選択すれば、削除やほかアプリを使った共有を行える
一覧画面のメニューから[リスト表示]項目を選択すると、メモを縦一列に並べることが可能
一覧画面右上の虫眼鏡型アイコンからは、キーワードでメモを検索できるが、日本語検索には一部不具合がある

 一覧画面の右上にある虫眼鏡型アイコンをタッチすると検索バーが表示され、キーワードでメモを検索することが可能。なお、執筆時現在は日本語検索に不具合があり、最初に入力したかなやアルファベットの1文字目が変換できずに直接入力されてしまう。そのため日本語で検索したいときは、最初の1文字を余分に入力してからキーワードを入力し、最初の1文字を消して検索する必要がある。今後の改善に期待したい。その反面、英語での検索では、最初の1文字を入力した途端にすばやく候補が表示されるようになっている。

 なお、現在のところ、“Google Keep”には“タグ”や“フォルダ”などのメモを分類する機能は備えられていないため、先述の背景色の選択やアーカイブによって一覧を整理したり、検索機能を活用することで、目的のメモを探すこととなる。

2種類のウィジェットを配置可能。Google ドライブとの統合に期待

 ホーム画面にウィジェットを配置することも可能。ウィジェットは一覧画面のツールバーと同様のアイコンが4つ並んだデザインで、メモの種類のアイコンをタッチして、すばやくテキストや写真をメモすることが可能。また、アイコンの下側に最新のメモを表示するデザインのウィジェットも配置でき、スクロールしてメモを閲覧したり、メモを選択して編集画面を開くことが可能。なお、Android 4.2以降の端末であれば、ロック画面からでもウィジェットを操作することができる。

 “Google Keep”は、PCなどのWebブラウザーからも利用可能で、テキストメモやチェックリストの作成、PC内の画像の保存、メモの閲覧・編集やアーカイブ、削除など、音声入力を除いてAndroidアプリとほぼ同等の機能を利用できる。“Google Keep”はGoogleが提供するオンラインストレージ“Google ドライブ”の一機能という位置付けだが、執筆時現在ではGoogle ドライブの一覧画面からは利用できない。しかし、Googleのオフィシャルブログによれば、“数週間以内にGoogle ドライブから直接利用可能になる”とのことであり、それが実現すれば、より使い勝手がよくなるだろう。

メモをすばやく作成したり、スクロールしてメモを確認できるウィジェットを配置可能
Web版“Google Keep”のインターフェース。色を変えられるのはメモ上部のみとなっている
「Google Keep」
【著作権者】
Google Inc.
【対応OS】
Android 4.0.3以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.77(13/03/20)

(ライターズハイ:鈴木 友博)