杜のAndroid研究室

第136回

Android版Operaが“WebKit”ベースで刷新「Opera ブラウザ ベータ版」

“データ圧縮”モードや“ディスカバー”機能を搭載

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、パソコンでも人気のWebブラウザー「Opera」のAndroid向けベータ版「Opera ブラウザ ベータ版」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。

“WebKit”ベースとなって生まれ変わったAndroid向け「Opera」のベータ版

「Opera ブラウザ ベータ版」

 「Opera ブラウザ ベータ版」は、ノルウェーのOpera Software ASAが提供する人気のWebブラウザー「Opera」のAndroid向けベータ版。デスクトップ版やスマートフォン版など、多くのプラットフォームに向けて提供されている「Opera」は、これまでレンダリングに独自の“Presto”エンジンを採用してきたが、今後はレンダリングエンジンに「Chrome」や「Safari」と同じ“WebKit”を採用していくことが先日発表された。本アプリはデスクトップ版に先駆けて、初めて“WebKit”が採用されたAndroid版のOperaとなる。

 Android版Operaは、これまでサーバー側でのデータ圧縮機能によって低速回線でも快適に利用できる「Opera Mini ウェブブラウザ」と、高速回線での利用に適した「Opera Mobile ウェブブラウザ」という2種類のアプリが提供されてきたが、本アプリでは“データ圧縮”モードの切り替えが可能になり、両アプリの統合が図られている。また、新規タブから目的のサイトにすばやくアクセスできる“Speed Dial”が強化されているほか、興味のある記事を閲覧できる“ディスカバー”機能を新たに搭載している。なお、上記の2アプリとは別アプリとなっているため、Google Playから新たにインストールする必要があるので注意しよう。

 アプリを起動して上部に表示されるアドレスバーは、検索バーが統合されており、URLを直接入力してWebサイトにアクセスできるほか、キーワードを入力してGoogle検索が可能。なお、検索エンジンはGoogle以外にAmazon.comや英語版のWikipediaなどに切り替え可能だが、現在のところ検索エンジンを編集する機能は搭載されていない。

 アドレスバー右側にあるタブボタンをタッチするとタブの選択画面となり、画面を左右にフリックしてタブを切り替えられるほか、画面上部のボタンからタブの新規作成が可能。また、右上のメニューボタンからは、閲覧履歴が残らない“プライベートタブ”を新規作成したり、すべてのタブを閉じる操作を行える。

アドレスバーには検索バーが統合されており、キーワードを入力してGoogle検索が可能
画面を左右にフリックしてタブを切り替え可能。また、[新しいタブ]ボタンから新規タブを作成できる

強化された“Speed Dial”と、興味のある記事を発見できる“ディスカバー”機能

 新規作成したタブには、Operaではお馴染みの“Speed Dial”が表示される。あらかじめ登録しておいたWebサイトのアイコンを並べて表示し、アイコンのタッチですばやくWebサイトにアクセスできるというものだが、アイコンをドラッグしてほかのアイコンに重ねることでフォルダを作成できるのが新たな特徴。作成されたフォルダはタッチして展開でき、フォルダ名を設定することも可能。なお、本アプリには“ブックマーク”メニューは用意されておらず、“Speed Dial”がブックマークの機能を担っている。Webサイトを“Speed Dial”を登録する際には、アドレスバー左側の[+]ボタンをタッチすればよい。

“Speed Dial”では、Webサイトのアイコンをドラッグして重ね合わせることでフォルダを作成可能
フォルダをタッチして展開すると、格納しているアイコンが表示されて選択可能
“Speed Dial”画面を右にフリックすると閲覧履歴が表示される

 “Speed Dial”画面で右にフリックするとWebページの閲覧履歴が一覧表示され、選択することでWebページへ再びアクセスできる。また、左にフリックすると“ディスカバー”機能の画面が表示される。“ディスカバー”機能では選択したジャンルのニュース記事などをタイトルと記事冒頭などが載ったカードが並んだようなレイアウトで閲覧可能。画面右上の歯車型アイコンをタッチすると表示される画面で閲覧する記事のジャンルを複数選択して設定できる。選択したジャンルの記事が“ヘッドライン“に一覧表示される仕組みで、個々のジャンルを選択して一覧表示することも可能。

 なお、“Speed Dial”などは新規タブのほか、画面右上の[O]ボタンをタッチして表示されるメニューの上から2段目にある各アイコンからも表示可能。

“Speed Dial”画面を左にフリックすると、“ディスカバー”機能の画面が表示される
国と興味のあるジャンルを選択すると、記事が“ヘッドライン“に一覧表示されるようになる
各ジャンルを選択し、そのジャンルの記事だけを一覧表示することも可能
[O]ボタンから表示されるメニューの上から2段目にある3つのアイコンを選択することで、閲覧履歴、“Speed Dial”、“ディスカバー”機能の各画面を表示できる

“データ圧縮”モードに切り替えて、低速回線でもWebページをすばやく表示

 [O]ボタンから表示されるメニューの[データ圧縮モード]項目をタッチしてONにすると“データ圧縮”モードに切り替わる。これは先述の「Opera Mini ウェブブラウザ」から継承された機能となっており、Webページのレンダリングを行って圧縮・転送するサーバーを介することで、通信状態が悪くても高速にWebページを読み込むことが可能となっている。設定画面の[画像]項目では、“画像クオリティ”を低・中・高から選択して圧縮率を調整することが可能。なお、“データ圧縮”モードをONにした場合、Webページのレイアウトが崩れる可能性がある。

 Webページの閲覧中にファイルのダウンロードを行うと、ダウンロード一覧が表示され、ファイルを選択して[開く]ボタンを押すことで、別途インストールしているビューワーアプリなどを使ってファイルを開ける。また、ダウンロード一覧は[O]ボタンのメニューの[ダウンロード]項目を選択することでも表示可能だ。

メニューの[データ圧縮モード]項目をONにすると、“データ圧縮”モードに切り替わる
ファイルのダウンロードを行うとダウンロード一覧が表示され、ファイルを選択してほかのアプリで開ける

 また、[O]ボタンから表示されるメニューの[オフライン用に保存]項目を選択すると、閲覧中のWebページが保存され、オフライン環境でも閲覧可能になる。保存したWebページは、“Speed Dial”に作成される“保存したページ”フォルダに格納される仕組み。

 そのほか、ページ内検索を行ったり、閲覧中のWebページを連携するアプリで共有できるほか、入力したIDとパスワードを保存できるなどのWebブラウザーで一般的な機能を備えている。なお、設定画面にある[Opera Linkにアクセス]項目を選択すると、“Opera Link”のWebページにアクセスして、デスクトップ版のブックマークや“Speed Dial”などを閲覧できるが、“Opera Link”機能によって本アプリの“Speed Dial”を同期するといったことはできない。

メニューの[オフライン用に保存]項目を選択すると、閲覧中のWebページを保存できる
保存したWebページは、“Speed Dial”の“保存したページ”フォルダから選択して、オフライン環境でも閲覧可能
「Opera ブラウザ ベータ版」
【著作権者】
Opera Software ASA
【対応OS】
Android 2.3以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
14.0.1025.52315(13/03/05)

(ライターズハイ:鈴木 友博)