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Androidに2件のゼロデイ脆弱性~2025年9月のセキュリティ情報が公開

リモートからユーザー操作なしに任意コードを実行できる致命的な脆弱性も

2025年9月のAndroidセキュリティ情報が公開

 米Googleは9月2日(現地時間)、Android OSの月例セキュリティ情報を発表した。今回公表された脆弱性の内容は、少なくとも1カ月前にパートナーへ通知済み。デバイスメーカーからアップデートが提供されたら、できるだけ早めに適用しておきたい。

 Android OSのセキュリティ更新プログラムは毎月「2025-xx-01」と「2025-xx-05」という2つのセキュリティレベルに分けられている。

 「01」は対応に時間のかかるカーネルコンポーネントや特定ベンダー向けの一部修正を省いたサブセット。修正範囲に制限を設け、迅速にユーザーへアップデートを提供できるように配慮されている。「05」はそれ以外の問題にも対処した、いわば完全版だ。

セキュリティ更新プログラムレベル「2025-09-01」

 「2025-09-01」はこれまでに修正された問題に加え、新たにAndroid Runtimeで1件、Frameworkで29件、Systemで28件、Widevine DRMで1件の脆弱性が修正された。「Google Play」システムのアップデート(Project Mainline)経由でも9件の脆弱性修正が配信されている。

 これらの問題のうちもっとも深刻なものは、システムコンポーネントで発見されたリモートコード実行(RCE)の脆弱性(CVE-2025-48539)だ。追加の実行権限を必要とせずにリモート(近接/隣接)からコードを実行される可能性がある上、悪用のためにユーザーの操作を必要としない。

 また、Android Runtimeにおける権限昇格の欠陥(CVE-2025-48543)は、深刻度の評価こそ「High」にとどまるものの、特定のユーザーを標的にした攻撃に悪用されているとの指摘がある。できるだけ早い対応が必要で、「Google Play」システム経由のアップデートにも含まれている。

セキュリティ更新プログラムレベル「2025-09-05」

 「2025-09-05」はすべての問題に対処した完全版で、「2025-09-01」での修正に加えKernelで3件、Arm componentsで3件、Imagination Technologiesのコンポーネントで10件、MediaTek componentsで4件、Qualcomm componentsで5件の脆弱性が解決された。深刻度はいずれも「High」と評価されている。

 そのほかにも、Qualcommのクローズドソースコンポーネントでも、深刻度「Critical」と評価されたもの3件を含む多くの脆弱性が修正されている。

 なお、カーネルにおける権限昇格の欠陥(CVE-2025-38352)に関しても、特定のユーザーを標的にした攻撃に悪用されているとの指摘がある。