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AIエージェントに対応した「Android Studio Narwhal Feature Drop」が正式版に

「Android XR」開発のサポートも拡充

「Android Studio Narwhal Feature Drop」(2025.1.2)

 米Googleは7月31日(現地時間)、「Android Studio Narwhal Feature Drop」(2025.1.2)を安定版としてリリースした。「Android Studio」は、Androidアプリを開発するためのオフィシャル開発環境。各バージョンにはAから順に動物の名前が愛称として付けられているが、本バージョンでは「N」から始まる「イッカク」(Narwhal)が採用されている。

 「Android Studio Narwhal Feature Drop」の目玉は、AIコーディング支援機能「Gemini in Android Studio」におけるエージェントモードへの対応だ。AIとチャットでやり取りするだけでなく、複雑な開発タスクをAIエージェントを丸投げすることができる。

 AIエージェントは与えられたタスクを理解し、複数のステップに分け、適切なツールを選びながら実行する。その際に問題が生じれば、AIエージェントはタスクを完了するための編集を提案する。開発者は提案された変更を途中で確認したり、受け入れたり、拒否したりするだけでよい。十分に任せられると感じれば、繰り返しの作業を任せてしまうことも可能だ。

「Gemini in Android Studio」でエージェントモードが利用可能に

 ちなみに、デフォルトモデルの利用は無料。ただし、対応コンテキスト長が短いため、複雑なタスクの実行が制限される。有料になるが、モデルピッカーで「Gemini 2.5 Pro」などを選択すれば問題は解決されるだろう。

 そのほかにもAIコーディング支援関連では、プロジェクトごとに「Gemini」の出力をカスタマイズする機能(プロンプトライブラリのルール)や、「Compose Preview」でUIの調整を自然言語で行う「Studio Labs」の実験機能といった新機能が含まれている。

 さらに、本バージョンでは没入型アプリの開発も強化される。組み込みの「XR Android Emulator」でXRアプリをテスト・デバッグできるほか、XR開発を始めるためのプロジェクト テンプレートが利用可能。「Android Device Streaming」で利用可能なパートナーデバイスも拡充された。

組み込みの「XR Android Emulator」でXRアプリをテスト・デバッグ

 そのほかにも、「Android Studio Narwhal Feature Drop」ではデフォルトで新しい「Kotlin」コンパイラー「K2」が有効になる。将来的なハードウェア対応のため、16KBページサイズのサポートも拡充される。

 「Android Studio Narwhal Feature Drop」は現在、Android開発者向けのサイト「Android Developers」から無償でダウンロード可能。対応OSはWindows/macOS/Linux/Chrome OSとなっており、Windows版向けは64bit版のWindows 10以降で利用できる。