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Google、「Android 16」を一般公開、例年より数カ月前倒しで ~通知や補聴器サポート、セキュリティなど新機能多数

「Google Pixel」への先行配信開始

Google、「Android 16」を一般公開

 米Googleは6月11日(現地時間)、モバイル向け新OS「Android 16」を正式にリリースした。例年であれば第3四半期(Q3)にリリースされるが、デバイスの発売スケジュールとの整合性を高めるためとして、数カ月前倒しでのリリースとなっている。今年はマイナーリリースがもう1回予定されている。

今後のリリース予定

 「Android 16」では、「ライブ アップデート」と呼ばれる新しい通知スタイル(Notification.ProgressStyle)が導入。進捗状況が一つの通知でチェックできるようになった。ライドシェアや配達、ナビゲーションなどの分野で活用されるようだ。

 また、通知があふれてしまうことを避けるため、同じアプリからの通知は自動的にグループ化されるようになる。。これにより、通知画面がすっきりと整理された状態に保たれる。

改善された通知

 また、補聴器への対応も強化。これまでLE Audio対応の補聴器で通話する際、補聴器本体のマイクが使われていたが、これでは話している相手の声を拾うにはよくても、自身の声を拾うには十分ではなかった。今回のアップデートではマイクをスマートフォンの通話に切り替えられるようになっており、周囲が騒がしい場所でも自分の声がよりクリアに相手へ届くようになる。補聴器をコントロールする機能もOS標準で導入された。

補聴器への対応も強化

 セキュリティ面では、Googleが提供する新しいモバイルデバイス保護技術「Advanced Protection」を有効にできるようになった。この機能はオンライン攻撃や有害なアプリ、安全でないWebサイト、詐欺電話などからユーザーを保護することが可能で、巧妙な標的型攻撃にも有効だという。

Googleの強力なモバイルデバイス保護「Advanced Protection」

 そのほかにも、「Android 16」ではGoogleとSamsungが共同で開発した「デスクトップモード」がタブレットで展開される。従来のシングルアプリモードと分割画面モードに加え、デスクトップのような複数のアプリウィンドウを扱うことが可能で、移動やサイズ変更も自由に行える。マルチタスクにおける生産性が大きく向上するだろう。

 「Android 16」のデスクトップ ウィンドウ機能は、今年後半以降に対応デバイスへ順次展開予定。また、「Android 16」ではアダプティブアプリの要件も緩和され、縦型スクリーンしか想定していないアプリもタブレットや折り畳みデバイスで全画面表示できるようになる。

アダプティブアプリの要件も緩和

 また、以下の改善も含まれる。

  • 予測バックシステムアニメーションを有効にするのに役立つ新しいAPIが追加
  • より豊かなハプティクス(触覚)フィードバック。バイブレーション(振動)効果をより細かく制御できる開発者向けAPIが利用可能に
  • ライブ壁紙フレームワークに新しいコンテンツAPI。実装が簡素化される
  • プロのカメラマン向けの機能。ハイブリッド自動露出と正確な色温度と色合いの調整、新しいナイトモードインジケーター、モーションフォトのキャプチャーを簡単にする仕組み、HEICエンコーディングのサポートなどを追加。「Advanced Professional Video」(APV)にも対応
  • カスタムAGSLグラフィック効果などのグラフィックス強化
  • 「Android 15」で導入されたアダプティブリフレッシュレート(ARR)をより使いやすく
  • 利用可能なCPUとGPUリソースを見積もって、ゲームやリソース集約型アプリに提供。バッテリー持続時間の改善に役立つ
  • 縦書きの日本語などを想定したテキストレンダリングおよび測定のための低レベルAPI
  • 改善されたアクセシビリティAPI

 「Android 16」は本日より、対応する「Google Pixel」デバイスへ先行配信される。他のスマートフォンブランドにも順次展開される予定だ。