使ってわかるCopilot+ PC

第96回

メモリは16GBで大丈夫? Copilot+ PCを買う時に注意したいこと

Wi-FiのバージョンやSSD、USBポートなども要確認

Copilot+ PCの公式Webサイト

Copilot+ PCなら何でもいいのか?

 最近はPCの寿命が延びていて、5年以上も同じPCを使い続けている方も珍しくない。5年前にそれなりの機種を購入していれば、Windows 11に無償アップグレードでき、パフォーマンス的に困ることも少ないだろう。

 ただ、PCは壊れる。うっかり落とす、デスクのコーヒーをこぼすといった致命的なダメージから、キーボードの一部が効かない、画面の表示が乱れるといった不具合まで、我慢しながら使っている方もいるかもしれない。

 そろそろPCを買い替えるにあたり、せっかくだからCopilot+ PCを選ぼうと思った時、何でもいいやと適当に選んでしまうと、後から困ることがあるかもしれない。そんな注意点をお伝えする。

メモリは最低16GBあるが、足りるかどうか

 まず最も注意して欲しいのが、メモリ搭載量だ。Copilot+ PCには、40TOPS以上の性能を持つNPUを搭載していること以外に、16GB以上のメインメモリを搭載していること、という条件もある。昨今のメモリ高騰で、安価な製品では8GBのメインメモリに留める製品も依然として残っているが、Copilot+ PCならば最低保証がある。

Copilot+ PCにはNPUの性能以外にも要件がある

 これは安心材料なのだが、16GBで十分かどうかは各々の利用状況による。オフィスワークであれば問題ないはずだが、ゲームやクリエイティブな用途もあり得るなら、数年後も見据えて32GB搭載しておく方が安心だ。

 『必要なら後から増設すればいいじゃないか』と思われた方は、なかなかPCに詳しい方とお見受けする。ただし、最近はそうもいかない。

 現時点でCopilot+ PCに搭載されるメモリは、対応するCPUの都合上、メーカーを問わずほとんどがLPDDR5またはLPDDR5Xとなっている。ノートPC用のメモリモジュールであるDDR5 SO-DIMMは今も存在するが、最近の主流はより省電力なLPDDR5、またはより高速なLPDDR5Xを搭載することが多い。省電力かつ高性能なので、ノートPCのバッテリー駆動時間を伸ばせる。

LPDDR5X(サムスン電子のWebサイトから引用)

 ただ、LPDDR5はSO-DIMMではなく、基板に直接実装されることがほとんど。高速なメモリの動作においてSO-DIMMよりノイズ対策がしやすく、安定して動作させやすいのが理由だが、ほかにも薄型ノートを設計しやすい、コスト削減になるなどのメリットもある。

 その結果、昨今のノートPCでは後からメモリを増設できる機種がかなり限られている。中でもIntel製CPUの「Core Ultra 200V」シリーズは、CPUのパッケージ内にメインメモリも統合されているため、後からメモリを追加することを最初から想定していない。

 つまり、買った時のメモリ容量が最終的な容量となるのが現在のノートPCのスタンダードだ。購入時には、この先数年を見据えてメモリの量が足りるかどうか考慮するか、あるいは数は少ないがメモリの増設に対応する機種を選ぶのがいい。

 ちなみに着脱可能なメモリは、従来のSO-DIMMではなく、新たにLPCAMM2という規格が登場している。こちらはLPDDR5Xでありながらも、対応する製品では後からメモリの交換が可能となる。ただし製品の価格もそれなりに高価になるため、どちらかと言えば将来的に64GB以上の大容量を求める可能性がある方向けと言えそうだ。

LPCAMM2に対応するLenovoの「ThinkPad T14 Gen 7」(LenovoのWebサイトから引用)

Wi-Fi 7に対応しているとは限らない

 次はWi-Fi。最近のノートPCには有線LANポートを搭載しないものも多い。実際、わざわざLANケーブルを接続してノートPCを使うという方も、最近はかなり減ってきていると思う。

 そのWi-Fiの規格が、Copilot+ PCに対応する世代の製品では、最新のWi-Fi 7に対応できる。Wi-Fi 6に比べて高速化されているだけでなく、混雑に強く、通信の安定性が高まるという利点がある。

 Copilot+ PCを購入して、ルーターもWi-Fi 7に対応したものを買えばいいと思っていると、実はPC側はWi-Fi 6までの対応だったということがあり得る。CPUの世代的にはWi-Fi 7に対応できるのだが、PCに何のWi-Fiモジュールを搭載するかはメーカー次第。安価な製品の中には、Wi-Fi 6のモジュールを搭載しているものも少なくない。

 Wi-Fiモジュールは後から自分で交換すると、日本国内では基本的に電波法違反となる。よほど法律に詳しく必要な手続きを熟知している方でない限りは、購入した状態で使い続けることになる。

 PCがWi-Fi 6で、ルーターがWi-Fi 7であっても、通信は可能だ。ただしWi-Fi 6の性能しか出せないことになる。せっかくなら最新規格で通信したい、特に他の通信機器が多い場所で利用したいということなら、そのPCがWi-Fi 7に対応しているかどうか確認しておく価値がある。

SSDやUSBも要確認

 ほかにもいくつか。SSDは、最近はM.2 NVMeのタイプにほぼ統一されている。ただしデスクトップPCにも使われるType2280という形状のほかに、より小さいサイズのType2230なども使われていることがある。モバイルノートPCで少しでも小型化・軽量化したい製品では時々見かける。

キオクシアのSSD「EG7」シリーズ。上から順に、Type2230、Type2242、Type2280の3タイプ

 またSSDが交換できない製品もある。単純にM.2スロットにアクセスできないものや、M.2のスロットではなく、基板にオンボードで搭載されているものもあり得る。将来的にSSDを大容量に交換したいというニーズがある場合は、交換可能かどうかを確かめておくといい。

 USBポートも注意が必要だ。最近はType-C形状の搭載が増えており、電源供給もここを使うなど、柔軟性が増して使いやすくなった。しかし規格の上では、Thunderbolt 4/5や、USB 4など、同じ見た目でもいろいろな機能や性能がある。USBで外部ディスプレイと接続しながら充電したい……といったニーズがあるなら、どのポートに何の機能があるのか調べておく方がいい。

 Type-C形状が増えたことで、Type-A形状のUSBポートが1つしかないという機種もある。2つ以上のType-A機器を使いたい場合に不便が生じることもあるので、Type-Aポートが多いPCを選ぶか、USB機器をType-Cに置き換えるのか、考えておくといいだろう。

 ほかにもディスプレイの解像度やアスペクト比、表面の光沢・非光沢もあれば、本体の重量やサイズなどもある。この辺りは新旧問わずあるものだが、忘れず確認しておきたい。

著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身

ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/