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「Gemini」がクラッシュ分析を支援 ~「Android Studio Meerkat Feature Drop」が正式版に
「IntelliJ 2024.3」ベース、UI開発やビルド、デプロイも改善
2025年5月13日 06:45
米Googleは5月6日(現地時間)、「Android Studio Meerkat Feature Drop」(2024.3.2)を安定版としてリリースした。「Android Studio」は、Androidアプリを開発するためのオフィシャル開発環境。各バージョンにはAから順に動物の名前が愛称として付けられているが、本バージョンでは「M」から始まる「ミーアキャット」(Meerkat)が採用された。
「Android Studio Meerkat」では「Jetpack Compose」プレビューの合理化、新しい「Gemini」機能、「Kotlin Multiplatform」(KMP)統合の改善、デバイス管理の改善などが実施された。
開発生産性の向上
まず、アプリ開発の生産性に関する改善として「Gemini」によるクラッシュレポートの分析がサポートされた。これまでは本番環境でのクラッシュをデバッグするには、「Firebase Crashlytics」や「Android Vitals」などのクラッシュレポートツールと統合開発環境(IDE)を何度も行き来する必要があったが、最新版ではIDEの「Insights」タブをクリックするだけで「App Quality Insights」(AQI)のレポートを表示できる。
レポートでは、「Gemini」がクラッシュの要約、洞察の生成および有用なドキュメントへのリンクを提供してくれる。「Gemini」にローカルのコードコンテキストへのアクセスを許可してあげればそれに即した支援を受けることも可能で、問題の診断と解決に費やす時間を短縮できる。
また、「Gemini」でユニットテストシナリオを生成する機能も追加された。ユニットテストの作成はしばしば後回しにされがちだが、「Gemini」を活用すればコードを分析し、何をテストすべきかを説明するテストケースを提案してくれる。人間が見逃しているシナリオを提案してくれることもあるので、テストカバレッジの改善が期待できる。
そのほかにも「Gemini」のプロンプトライブラリが搭載され、開発者がよく使うプロンプトを保存できるようになった。ライブラリにストックされたプロンプトは、エディターから簡単に再利用可能。プロジェクト単位でも、IDEレベルでもプロンプトを管理できる。
UI開発
UI開発では、テーマアイコン対応が強化。既存のランチャーアイコンが単色のテーマ化アルゴリズムにどのように適応するかをIDE内で直接プレビューできるようになり、アプリのブランディングを統一するのが簡単になる。
また、「Compose」プレビューも強化。ズームに対するレスポンスが改善されたほか、グループでの折り畳み対応、グリッドモードのデフォルト化なども行われている。
ビルドとデプロイ
ビルド関連では、「Kotlin Multiplatform」(KMP)共有モジュールが統合統合され、AndroidとiOSの両方で共有されるビジネスロジックを「Android Studio」から直接、簡単に構造化してビルドできるようになった。ビルドメニューの動作と名称も変更され、操作性が向上している。
また、デバイスを追加する際のユーザーエクスペリエンス(UX)が改善され、デバイスマネージャーから必要なデバイスをより簡単に設定できる。ウィンドウ上部の[+]アクションから、仮想デバイスの作成やリモートデバイスの追加を選択するだけだ。
そのほかにも、「Google Play」で非推奨となったSDKに対し、警告が表示されるようになった。古いライブラリや安全でないライブラリに関連する潜在的な問題を回避できる。