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「Android Studio Ladybug」がリリース、AIにコードを書き換えてもらう機能などを搭載
「Wear OS」のタイルアニメーションもプレビュー可能に
2025年1月20日 16:19
米Googleは1月9日(現地時間)、「Android Studio Ladybug Feature Drop」(2024.2.2)を安定版としてリリースした。「Android Studio」は、Androidアプリを開発するためのオフィシャル開発環境。各バージョンにはAから順に動物の名前が愛称として付けられているが、本バージョンでは「てんとう虫」(Ladybug)が採用された。
「Android Studio Ladybug」では、同社の生成AI「Gemini」を用いたAIコーディング支援、Wear Tilesアニメーションプレビューのサポート、「App Links Assistant」など、生産性を加速させる新機能が数多く導入されている。
Gemini Code Transforms
「Gemini Code Transforms」は、AIの助けを借りながらアプリコードの修正、最適化、追加を行えるようにする機能。コードエディター上や選択テキストの右クリックメニューから簡単に利用可能で、コードに加えたい変更を記述すると、それに応じた差分を「Gemini」が提案してくれる。複雑なコードを簡素化したり、特定のコード変換処理を実行したり、新しい関数を生成することもできる。
そのほかにも、「Android Studio Ladybug Feature Drop」では以下のAI支援機能がサポートされる。
- 変数、クラス、メソッドの名前変更を提案
- より大規模なリネームリファクタリングのためにファイル全体の「変数名の再考」(Rethink variable names)を「Gemini」に依頼
- 変更をバージョン管理システムにコミットする際、コードの変更を分析し、詳細なコミットメッセージを提案
- ドキュメントの生成
デバッグ
デバッグ機能では、スマートウォッチ向けOS「Wear OS」のタイルアニメーションを簡単に視覚化できるプレビュー機能が目玉。再生、一時停止、速度調整などをオプションで制御したり、初期状態・終了状態やアニメーションカーブなどの主要なプロパティをインスペクトできる。アニメーションコードを動的に変更して、その結果をインスペクターで即座に確認できるので、デバッグと改良のプロセスを効率化できるだろう。
また、エミュレーターで「Wear Health Services」を有効化し、健康とフィットネスアプリのテストプロセスを簡素化する機能などがサポートされた。
App Links Assistant
「App Links Assistant」は、アプリの壊れたディープリンクを解決するツール。JSONファイルを手動で作成する必要がなくなり、時間と労力を節約できるほか、既存の壊れたJSONファイルと新しく生成されたJSONファイルを比較して、不一致を簡単に特定できる。
そのほかにも、「Google Play SDK Index」と「Google Play SDK Console」から得られるSDKの警告が強化され、潜在的な問題を特定して対処するのが容易になった。この警告は、SDKが古かったり、「Google Play」のポリシーに違反していたり、既知のセキュリティ脆弱性がある場合に発せられる。「IntelliJ」プラットフォームも「IntelliJ 2024.2」にアップグレードされ、より直感的な全行コード補完候補、「Search Everywhere」ダイアログのプレビュー、「Java」「Kotlin」プログラミング言語のログ管理の改善といった新機能が利用できるようになった。
「Android Studio Ladybug」は現在、Android開発者向けのサイト「Android Developers」から無償でダウンロード可能。対応OSはWindows/macOS/Linux/Chrome OSとなっており、Windows版向けは64bit版のWindows 8以降で利用できる。
ソフトウェア情報
- 「Android Studio」Windows向け安定版
- 【著作権者】
- Google LLC
- 【対応OS】
- 64bit版のWindows 8以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 2024.2.2(25/01/09)