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「Android 16」が初めてベータ版に到達 ~PixelデバイスにOTAで開放
大型化・多様化するスクリーンに対応、縦書きテキストのための低レベルAPIも
2025年1月24日 17:29
米Googleは1月23日(現地時間)、「Android 16」が初めてベータ版に到達したと発表した。開発者だけでなく、アーリーアダプターにも開放される。サポート中の「Pixel」デバイスであれば、OTA(オンライン経由)でアップデートを入手可能だ。
Android アダプティブアプリ
「Android 16」では、アプリによって大画面での画面の向きやリサイズを制限する機能が段階的に廃止される(スマートフォンのみを考慮したアプリの場合、従来は左右に余白ができたり、右寄せ・左寄せ表示ができるに過ぎなかった)。これは折り畳みデバイスなどでスクリーンが大型化、多様化する傾向に対応した施策で、OEMがここ数年間独自に行ってきた改善がOSに取り込まれた格好だ。
具体的には画面の幅が600dpを超えており、アプリがAPIレベル36をターゲットとしている場合、アプリのウィンドウはリサイズされる(ただし、ゲームは対象外)。既存のUIが縦横比を問わずシームレスに拡大縮小されるよう、開発者はアプリを検証する必要がある。
ライブアップデート
ライブアップデート(Live Updates)は、処理の進行状況をユーザーに伝えたいときに利用できる新しい通知クラスだ。たとえばライドシェアリング、フードデリバリー、ナビゲーションなどの分野での活用が期待されている(それ以外は、今のところ非推奨)。
カメラとメディアの更新
「Android 16」では高品質メディアの再生、作成、編集のサポートが強化され、ソーシャルアプリや生産性アプリにとって重要なアップデートとなっている。
- Samsungが開発したAPV(Advance Professional Video)コーデックが導入。圧縮しているにもかかわらず感覚的にはほぼロスレスに近い品質が得られ、編集にも適している
- アプリからカメラのナイトモードのシーン検出(EXTENSION_NIGHT_MODE_INDICATOR)が可能に
縦書きテキスト
「Android 16」では縦書きテキストのサポートが追加され、キャンバスで縦方向にテキストをレンダリングしたり、その測定を行うことができる(VERTICAL_TEXT_FLAG)。あくまでもライブラリ開発者向けの低レベル機能だが、日本語を扱うアプリでの活用に期待したいところだ。
そのほかの機能
そのほかにも、「Android 16」ではアクセシビリティが強化。ローカルデバイスとBluetooth Low Energyリモートデバイスの距離と角度を測定する「RangingManager」が追加される。
一方で、プラットフォームの効率化のために互換性に影響する変更も加えられているので注意したい。
ベータ版「Android 16」は、「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」「Pixel 6a」以降のPixelデバイスでテスト可能。Pixelデバイスがない場合も、「Android Emulator」で64bit版のシステムイメージが利用できる。例年であれば正式版は第3四半期(Q3)にリリースされるが、デバイスの発売スケジュールとの整合性を高めるため、「Android 16」はQ2にリリースされる。