杜のAndroid研究室

第191回

安心かつ便利に使えるようになった日本語入力アプリ「Simeji」

設定画面が大幅刷新され、キーボードのサイズ変更も可能に

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、定番の日本語入力アプリ「Simeji」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。

“クラウド変換”機能はデフォルトで無効に

「Simeji」

 バイドゥ(株)が提供する「Simeji」は、フリック入力などの多彩な入力方式を選択できるほか、“マッシュルーム”による拡張やスキンの着せ替えなどができる定番の日本語入力アプリ。すでに本連載でも取り上げているが、その後もバージョンアップを重ねており、最新版のv7.0では設定画面などが刷新されたほか、キーボードサイズの変更が可能になるなど、便利な機能が加わっているので、改めて紹介しよう。

 なお、「Simeji」の“クラウド変換”機能については、昨年末に一部報道でプライバシーに関する問題点が指摘され、とくに同機能を設定でOFFにしていても入力内容がサーバーに送信される不具合が問題になったが、直後のアップデートで不具合が修正されたほか、同機能をデフォルトで無効化する変更がなされた。またバイドゥでは、製品の性能や安全性の試験・認証を行っている機関の日本法人インターテック ジャパン(株)による「Simeji」v6.8.3の安全性検証を実施し、安全性が認証されたことを公表している。

“拡張辞書”や“ないしょモード”など変換機能の設定が豊富に

初回起動時に“クラウド超変換”のON/OFFを選択できる

 初回起動時には利用規約が表示され、同意することで利用を開始できるほか、ポップアップで[クラウド変換を使う]ボタンをタップすれば、“クラウド超変換”機能を有効化することが可能。“クラウド超変換”機能は、入力内容をクラウド辞書サーバーへ送信し、より豊富な変換候補を表示できるもので、新語や流行語、顔文字などにすばやく変換できる。プライバシー上、外部へ入力内容が送信されることが気になる場合は“クラウド超変換”機能をOFFのままにしておいた方がよいだろう。

 なお、キーボード上部のコントロールパネルで歯車型ボタンをタップすると、簡易的な設定パネルが表示され、“クラウド超変換”をすばやくON/OFF可能。また、キーボードの[あA]キーの長押しなどから表示できる設定画面において、[辞書/変換]項目を選択して表示される画面の[共通変換設定]項目でも“クラウド超変換”のON/OFFを行える。

“クラウド超変換”をONにすると、雲型マークが表示された変換候補が現れる
コントロールパネルの歯車型ボタンから“クラウド超変換”をすばやくON/OFFできる

 また、“クラウド超変換”をOFFにした場合、変換候補に表示される顔文字などが少なくなるが、[辞書/変換]画面の[拡張辞書]項目から3種類の“拡張辞書”をダウンロードすることで、アニメ・ゲーム用語や顔文字などの変換候補を増やすことが可能。なお、“拡張辞書”は自動または手動で更新し、新しい用語をダウンロードできる。

 そのほか、[辞書/変換]画面の[共通変換設定]項目で、“ないしょモード”をONにすると、“クラウド超変換”に加えてローカルの学習機能も無効化し、入力内容のログを一切残さずに使用することも可能。

“クラウド超変換”をOFFにしているときでも、3種類の“拡張辞書”をダウンロードすることで変換候補を増やせる
“クラウド超変換”やローカルの学習機能をOFFにできる“ないしょモード”も利用可能

多彩な入力方式を設定でき、フルキーボードでもフリック入力が可能

 キーボードのレイアウトは、大きく分けてテンキーレイアウトとフルキーボードレイアウトの2種類があり、さらに入力方式や配列によって数種類が用意されている。テンキーレイアウトでは、フリック入力やケータイ風入力、ポケベル風入力などの入力方法を選択可能。また、フルキーボードレイアウトでは、通常のQWERTY配列に加えて、キーボードの最上段に数字キーを表示する“拡張フルキーボード配列”や、フランス語圏などで使用される“AZERTY配列”を選択できる。

 設定画面の[キーボード]項目を選択すると表示される画面において、日本語、英字、数字入力時のキーボードレイアウトを個別に設定可能。日本語の入力にはテンキーレイアウトを使い、英字入力にはフルキーボードレイアウトを使うといった設定ができるほか、縦画面と横画面で使用するレイアウトを切り替えることもできる。

 また、英字入力のQWERTY配列のキーボードではフリック入力が可能になっており、各キーを上へフリックすることで、キー上部に小さく表示されている数字や記号を入力可能。なお、キーボード上部のコントロールパネルから表示できる簡易的な設定パネルでは、QWERTY配列でのフリック入力のON/OFFを設定できる。

入力する文字種や縦・横画面ごとにキーボードレイアウトを設定できる
QWERTY配列のキーボードでキーを上にフリックし、数字や記号を入力可能

顔文字・絵文字・AAを入力でき、マッシュルームも利用可能

 文字の入力時には、キーボード左下の[あA]キーをタップして、日本語入力と英字入力を切り替えられる。また、[1記号(^_^)]キーをタップすると、数字入力用のキーボードが表示されて入力できるほか、上部の[顔文字][絵文字][記号]の各タブにおいて、ジャンル別に分類された顔文字や絵文字、記号を選択して入力することが可能。

 また、“マッシュルーム”を使った入力も行える。“マッシュルーム”は、日本語入力アプリを機能拡張するプラグインで、「Simeji」のほかにも「ATOK」や「Google 日本語入力」などの日本語入力アプリでも利用できる。顔文字やテキストを翻訳して入力できるものなど、多数の“マッシュルーム”がGoogle Playからインストール可能。キーボード左上のキノコ型キーをタップすると、キーボードの左側にメニューが表示され、一覧から使用したい“マッシュルーム”を選択してさまざまな入力を行える。

[1記号(^_^)]キーをタップして表示される画面から絵文字や顔文字、記号を入力できる
キノコ型キーをタップして表示される一覧から“マッシュルーム”を選択して利用可能

 さらに、キーボード上部のコントロールパネルでネコ型ボタンをタップして表示される画面では、ジャンルからアスキーアートを選択して入力することができる。そのほか、コントロールパネル上からは、入力したテキストのコピー&ペーストを行えるほか、Google音声認識を利用した音声入力を行うことも可能。

コントロールパネルのネコ型ボタンから表示される画面でアスキーアートを選択し、入力できる
コントロールパネルのボタンからテキストのコピー&ペーストなども行える

サイズ変更やスキンの着せ替えでキーボードの見た目も変えられる

 最新版の「Simeji」では、キーボードサイズの変更も可能になっている。[あA]キーを長押しして表示されるポップアップで[キーボードサイズ]項目を選択すると、キーボード上部に点線が表示され、タッチして上下にスライドすることで高さを細かく調整することが可能。

 また、ポップアップの[左右寄せ]項目を選択すると、キーボードの横幅を縮小して右に寄せられる。キーボードの左横に表示される[<]キーをタップすれば、左に寄せることも可能。さらに、[<]キーの上下に表示される[+][-]キーをタップして、高さを調整することもできる。

キーボードの高さを細かく調整することが可能
キーボードを左右に寄せることもできる

 キーボード上部のコントロールパネルは非表示にすることもできる。設定画面から[入力補助]画面を開いて、[入力画面設定]項目で“コントロールパネルの表示”をOFFにすればよい。なお、コントロールパネルに表示されていた機能は、キーボード左上のキノコ型キーをタップして表示されるメニューからも利用できる。

 また、キーボードの背景画像を変更できるのがスキンの着せ替え機能で、コントロールパネルの左端にある[スキン]ボタンをタップしたり、設定画面の[スキン]項目を選択して表示される画面でスキンのダウンロードや適用が可能。[スキンギャラリー]タブからさまざまな種類のスキンをダウンロードして適用できるほか、[ボタンスキン]タブでは、キーが立体的に見えるケータイ風の“ボタンスキン”も利用できる。なお、サクラ柄の“ボタンスキン”を適用し、QWERTY配列でフリック入力すると、花びら状のポップアップが表示されるなどのギミックも用意されている。

 そのほか、[あA]キーを長押しして表示されるポップアップで[色変更]項目を選択した際などに、キーボードの文字色を6色から選択して変更することも可能。

[スキンギャラリー]タブでさまざまな種類のスキンをダウンロードし、キーボードの着せ替えを行える
サクラ柄の“ボタンスキン”を適用すると、QWERTY配列でフリック入力した際のポップアップが花びら状になる
「Simeji」
【著作権者】
バイドゥ(株)
【対応OS】
Android 1.6以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
7.0.2(14/05/07)

(ライターズハイ:鈴木 友博)