杜のAndroid研究室

変換エンジンを刷新した定番の日本語入力アプリ「Simeji」

変換精度が向上し、顔文字も多数追加。日本語入力の草分けが大幅バージョンアップ

(12/08/29)

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、日本語変換エンジンを新たに「Baidu IME」のエンジンに刷新した日本語入力アプリ「Simeji」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。

「Baidu IME」の変換エンジンを採用し、変換精度が向上

「Simeji」「Simeji」

 「Simeji」は、フリック入力などの多彩な入力方式を選択できるほか、“マッシュルーム”による拡張やスキンの着せ替えなどができる日本語入力アプリ。「ATOK for Android」や「Google日本語入力」といった日本語入力アプリが登場する以前から使われ続けており、Androidにおける日本語入力アプリの草分け的存在となっている。

 これまで日本語変換エンジンには、オープンソースで提供されている“OpenWnn”が使われていた。しかし、2011年12月にバイドゥが「Simeji」を事業取得したことにより、2012年8月21日にリリースされたv5.0からは、バイドゥのWindows用日本語入力ソフト「Baidu IME」と同等のものが採用されている。

 “Baidu IME”を採用したことにより、従来の「Simeji」では一発変換できなかったような長文でも変換することが可能。また、読みが難しい駅名も辞書登録されていて、一発変換することができる。さらに、3000以上の顔文字も追加され、“わーい”“にっこり”“おこる”といった単語を変換することで、変換候補に顔文字が表示されて選択可能。“Baidu IME”は、サーバー上の辞書をネット経由で参照して変換を行うことで、変換精度をより向上させているが、オフラインでも内蔵辞書を使って変換できる。

“Baidu IME”の採用により、変換精度が向上して長文などを一発で変換可能“Baidu IME”の採用により、変換精度が向上して長文などを一発で変換可能

感情を表す言葉を変換することで、さまざま顔文字を入力できる感情を表す言葉を変換することで、さまざま顔文字を入力できる

変換候補の最後尾に表示されるキノコ型アイコンを選択すると、“Social IME”による変換候補が追加表示される変換候補の最後尾に表示されるキノコ型アイコンを選択すると、“Social IME”による変換候補が追加表示される

 また、変換候補の最後尾に表示されるキノコ型アイコンを選択すると、ほかのユーザーとオンラインで辞書を共有する“Social IME”による変換を利用することができる。そのほか、ユーザー辞書を編集することもでき、ユーザー辞書データのインポートや出力も可能。

フリック入力やケータイ風入力ができ、フルキーボード配列も3種類から選択可能

 キーボードのレイアウトは、大きく分けてテンキー配列とフルキーボード配列の2種類がある。テンキー配列では、フリック入力や連続押しで子音を選ぶケータイ風の入力のほか、1タッチ目で子音、2タッチ目で母音を選んでかなを入力する“ポケベル”風の入力方式も選択可能。さらに、フリック入力を選択し、ケータイ風入力を併用することもできる。

 フルキーボード配列では、通常のQWERTY配列に加えて、キーボードの最上段に数字キーを表示する配列や、フランス語圏などで使用される“AZERTY配列”を選択することが可能。キーボードレイアウトは日本語入力と英字入力を個別に設定できるようになっている。

1タッチ目で子音、2タッチ目で母音を選んでかなを入力する“ポケベル”風の入力も可能1タッチ目で子音、2タッチ目で母音を選んでかなを入力する“ポケベル”風の入力も可能

フルキーボードの最上段に数字キーを表示できるフルキーボードの最上段に数字キーを表示できる

 キーボードを表示して変換候補が表示されていないときには、キーボード上部に2段のコントロールパネルが表示されている。コントロールパネルの上下左右ボタンを選択してカーソル移動ができるほか、マイク型のボタンを選択してGoogle音声認識を使った音声入力も可能。また、[設定]ボタンを選択すれば設定画面を開ける。

[%(^_^)123]キーを押すと、入力文字種を切り替えて記号や絵文字、顔文字を入力可能[%(^_^)123]キーを押すと、入力文字種を切り替えて記号や絵文字、顔文字を入力可能

 キーボード上の[%(^_^)123]キーを押すと入力文字種の切り替えができ、数字と記号入力用のキーボードに切り替えられるほか、同キーを続けて押すことで、変換候補の箇所にほかの記号や顔文字、キャリアの絵文字が表示されて選択可能。

“マッシュルーム”で拡張できるほか、デザインも自由に変更可能

 「Simeji」の代名詞ともいえるのが、“マッシュルーム”と呼ばれるアプリによる機能拡張だ。キーボードのキノコ型キーを長押しして表示される一覧から“マッシュルーム”を選択し、さまざまな入力を行える。顔文字や翻訳したテキストを入力できるものなど、多数の“マッシュルーム”がGoogle Playで公開されていてインストール可能。「Simeji」に標準搭載されている“Contact Picker”も、“マッシュルーム”一覧から選択することができ、アドレス帳内の連絡先の氏名やメールアドレス、電話番号などを選択して入力できる。

一覧から“マッシュルーム”を選択して、顔文字や翻訳結果などをすばやく入力できる一覧から“マッシュルーム”を選択して、顔文字や翻訳結果などをすばやく入力できる

標準搭載されている“Contact Picker”では、アドレス帳内の連絡先を選択して引用可能標準搭載されている“Contact Picker”では、アドレス帳内の連絡先を選択して引用可能

 また、スキンをダウンロードして適用することで、キーボードの背景画像を変更することもできる。コントロールパネルにあるブロック型のアイコンを選択すると、“スキンギャラリー”が表示され、新着順とダウンロード順からスキンを選んでダウンロード・適用可能。“スキンギャラリー”には模様、イラストが描かれたものや写真を使ったものなど、さまざまなスキンが公開されている。

“スキンギャラリー”からさまざまスキンを選択してダウンロードできる“スキンギャラリー”からさまざまスキンを選択してダウンロードできる

写真のほか、模様やイラストが描かれた画像などをキーボードの背景に設定できる写真のほか、模様やイラストが描かれた画像などをキーボードの背景に設定できる

 そのほか、キーボードをタッチしたときに音を鳴らしたり、バイブレーションするように設定できるほか、キーにタッチした際に入力できる文字とフリックの方向をポップアップで表示するなど、入力時の動作を細かく設定することが可能。設定内容をバックアップしたり、バックアップから復元することもできる。

【著作権者】
バイドゥ(株)
【対応OS】
Android 1.6以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
5.0(12/08/21)

(ライターズハイ:鈴木 友博)