いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】「#REF!」「#VALUE!」の意味がわからない……困ったときのエクセル対策ワザ

 Excel(エクセル)は、仕事や普段の生活で使う機会の多い、最も身近なアプリケーションのひとつです。しかし、「イマイチよくわからないまま使っている」「実は少し苦手……」という人も多いのではないでしょうか? この連載では、いまさら人に聞けないけど、知っていれば必ず役に立つ、Excelを使いこなすためのノウハウを紹介します。

セルに「#REF!」「#VALUE!」と表示される原因は?

 Excelの操作にも少しずつ慣れてくると、いろいろなセル範囲を参照する数式を作ったり、関数を使った複雑な数式を作ったりする機会も増えてくるでしょう。また、作った数式を後で見直して修正することなども出てくるのではないでしょうか。

 今回は、このようなシチュエーションで表示される可能性がある「#REF!」と「#VALUE!」の2種類のエラー値を紹介します。数式で無効なセルが参照されているときに表示される「#REF!」と、数式内で使われている数値が間違っているときに表示される「#VALUE!」です。

数式で無効なセルが参照されているときに表示される「#REF!」

 「#REF!」は、数式中で無効なセルが参照されている場合に表示されるエラー値です。「数式で参照しているセル範囲の列を削除してしまった」「VLOOKUP関数などで正しいセル範囲を指定していなかった」などといったミスで表示されることが多いです。

 ここでは、「得点の合計(B列:D列)を受験科目数(E列)で割って平均点(F列)を求める」という数式「=sum(B4:D4)/E4」(①)がF列に入力されている成績表の例で考えてみましょう。

 この成績表から誤って受験科目数の列(E列)を削除してしまうと、平均点の列に「#REF!」のエラー値が表示されてしまいます(②)。これは、平均点を算出する数式「=sum(B4:D4)/E4」で参照していたE列の値がなくなってしまったためです。

 列を削除してしまった直後であれば、[Ctrl]+[Z]キーを押すことで、エラー値「#REF!」は消え、平均点が表示されていた状態に戻ります。削除した直後でなければ、行を挿入してもう一度E列に受験科目数の内容を入力し直しましょう。

数式内に不適切な値が入っている場合に表示される「#VALUE!」

 次に解説するのは、数式内に不適切な値が入っているときに表示されるエラー値「#VALUE!」です。

 「数値が入るべきセルに文字列が入力されていた」「セルにスペースが入力されていた」「数字を全角で入力してしまった」「参照しているセルに何かの文字列が入力されていた」などといったミスが原因で表示されがちです。

 ここでは、セル範囲B4:E8に入力された得点(数値)をもとに、中間・期末(列)ごとの試験得点の合計(数値)を9行目に表示する年間試験結果一覧表を例に考えてみましょう。

 セルB6に数値ではなく文字列「未受験」(①)が入力されているため、前期中間合計の計算結果が表示されるセルB9にエラー値「#VALUE!」が表示されてしまいます(②)。

 この場合は、セルB6の「未受験」を「0」と入力し直すか、セルB9の数式「=B4+B5+B6+B7+B8」をSUM関数を使った数式「=sum(B4:B8)」に変更すれば、エラー値「#VALUE!」は表示されなくなります。

エラー値「#REF!」「#VALUE!」が表示されたら数式の参照先を要チェック

 「#REF!」が表示された場合は、うっかり削除してしまった列やセルがないかチェックしましょう。「#VALUE!」が表示された場合は、数値が入るべきところに文字列が入っていないか、空白セルなどにスペース文字が入っていないのかなどを確認しましょう。

 数式を作るのは意外と簡単ですが、慣れないうちは頻繁にエラー値が表示されてうんざりしてしまうこともあるでしょう。しかし、なぜエラー値が表示されているのかを調べれば、対処の方法も見えてきます。こういった小さなミスは発生しがちなので、スケジュールに余裕を持って仕事を進めておき、落ち着いた状態でミスをカバーできるようになることが大切ですね。