いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel効率化】シートを何度も切り替えてセルをコピペするのはミスりそうで不安……Officeクリップボード活用テク

 Excel(エクセル)は、仕事や普段の生活で使う機会の多い、最も身近なアプリケーションのひとつです。しかし、「イマイチよくわからないまま使っている」「実は少し苦手……」という人も多いのではないでしょうか? この連載では、いまさら人に聞けないけど、知っていれば必ず役に立つ、Excelを使いこなすためのノウハウを紹介します。

シートを何度も切り替えてデータをコピーするのは非効率的

 「異動してきた社員に関する情報を別の名簿から転記したい」「大きな表の中から必要な項目を抜き出して別のシートにコピーしたい」というように、一度作成した表の一部をほかの表にコピーして使いたいことはよくあります。

 同じシート上であれば1つひとつのデータをコピペするのも簡単ですが、別のシートや別のブックにある表からデータをコピーしたいときに、何度も表示を切り替えてコピーする方法が効率的だとは言えません。

 そこで今回は、複数のデータを効率良くコピーして、別のシート上の表に転記するテクニックを解説します。

複数データのコピーにはOfficeクリップボードを活用しよう

 Excelのシート上で複数のデータをコピーする場合は、Officeクリップボードを活用すると便利です。

 通常のコピー操作では一度に1つのデータしかコピーできませんが、Officeクリップボードを使うと、最大24種類のデータのコピーをストックしておくことができます。

 ここでは、部署に配属された新入社員の情報を、新入社員名簿から既存の社員名簿に転記する例を考えてみましょう。

 コピーしたいデータがあるシートを表示しておき、[ホーム]タブ(①)の[クリップボード]グループの右下にある矢印のアイコン(②)をクリックします。

 画面の左側に[クリップボード]作業ウィンドウが表示されたことを確認後、コピーしたいデータのセル(③)をクリックし、[ホーム]タブの[コピー](④)をクリックします。

 すると、[クリップボード]作業ウィンドウに、コピーしたセルのデータが表示されます(⑤)。これで、Officeクリップボードにデータがコピーされます。

 この手順を繰り返して、必要なデータをすべてOfficeクリップボードにコピーします(⑥)。

 データをすべてコピーしたら、データの転記先となるシートを開き、同様にして[クリップボード]作業ウィンドウを表示します。この例では、コピーした情報を別ブックの社員名簿に転記していきます。

 別のシートを表示しても、Officeクリップボードには先ほどコピーしたデータが全て表示されます(⑦)。

 それでは、コピーしたデータを転記していきましょう。

 データの転記先となるセルを選択した状態で、Officeクリップボードの任意のデータ(⑧)をクリックすると、データがそのセルに転記されます(⑨)。

 同様にして、すべてのデータをOfficeクリップボードから転記します(⑩)。

 シートやブックの切り替えを繰り返すことなく、すべてのデータを転記することができました。

 すべてのデータのコピーが完了したら、[すべてクリア](⑪)をクリックしてOfficeクリップボードからデータを削除します。

 [×](⑫)をクリックすると、[クリップボード]作業ウィンドウが閉じます。

データをOfficeクリップボードにストックして効率良くコピペしよう

 今回は、Officeクリップボードに複数のデータをコピーしておき、別のシートに転記するテクニックを解説しました。

 データを1つひとつコピーするたびにシートやブックを切り替えて貼り付ける作業を繰り返すのはとても面倒です。しかし、このテクニックを使えば切り替えの手間を省けて、データ入力のミスも防ぐことができます。また、ここでは詳しい方法を紹介していませんが、OfficeクリップボードにコピーしたデータはExcel以外のOfficeアプリケーションで使うこともできます。

 複数のデータを効率良くコピーするために、ぜひOfficeクリップボードを活用してみてくださいね。