#モリトーク

「Instagram」が人気を決定付けたアート系フィルター

(12/04/17)

 Android版の公開、そしてFacebookによる買収と、話題沸騰中の「Instagram」が人々を魅了する最大の理由はやはり、芸術的な写真を手軽に作成できるフィルター機能にあるだろう。けれども、アート系のフィルター機能は「Instagram」によって世界的に普及したわけではなく、その価値が最大化しただけに過ぎない。

「Poladroid」v0.9.6r0b「Poladroid」v0.9.6r0b

「Poladroid」で加工した画像「Poladroid」で加工した画像

 アート系フィルターが本格的に人気を集めるようになったのは、iPhoneにカメラが搭載された2008年からだろう。アート系フィルターのカメラアプリが次々に登場し、オリンパス製品をはじめとするデジカメにも搭載されたほか、Windows用のソフトも誕生した。そこで今回は、パソコン上で利用できるフィルターソフトを取り上げたい。とくに最初に紹介する「Poladroid」は、窓の杜で2009年に紹介したソフトだが、今改めて評価すると、その価値は何倍にもなるだろう。

 「Poladroid」は、ポラロイド社製のインスタントカメラを忠実に再現しており、手持ちのJPEG画像を白枠つきのインスタント写真へと加工してくれる。ゆっくりと浮かび上がる現像過程まで楽しめる機能がユニークで、仕上がった画像のアートな雰囲気は「Instagram」にも負けていない。

「絵師のえそらごと」「絵師のえそらごと」

 窓の杜ライブラリに収録されている「絵師のえそらごと」もまた、今再び脚光を浴びるべきソフトかもしれない。さまざまな画風のバーチャル絵師が、任意の画像を題材にして1枚の絵を描いてくれる。絵画風フィルターという位置づけになるが、絵が描かれる過程だけでなく、バーチャル絵師の成長まで楽しめるソフトになっている。

 次の3本はアート系フィルターに特化したレタッチソフトだ。まず「Toycamera Standalone」はトイカメラ風の写真を作成でき、「Instagram」のフィルター機能にもっとも近い。続いて「Photo Black & Color」は、指定色だけを残した上で画像をモノクロ・セピア化することが可能。最後の「TiltShift Generator」は、チルト・シフトレンズと呼ばれる特殊なレンズを使って撮影したようなミニチュア風写真を作成できる。

 SNSで芸術的な写真を共有したいなら、とくにスマートフォンユーザーは「Instagram」を利用するのが手っ取り早いだろう。しかし、これだけ人気に火がついてしまうと、そこにはもはや個性がなくなってしまう。他人とは違った個性的な写真を公開したいなら、今回紹介したようなソフトを使うのもひとつの手だ。

(中井 浩晶)