#モリトーク

第132話

Chromeが本腰を入れつつあるタブ休止機能

 本連載でもたびたび取り上げているWebブラウザーの肥大化するメモリ消費は、ユーザーにとっても開発者側にとっても悩みの種。タブを休止させる拡張機能の人気が高いほか、「Opera」は“Tab Hibernation”と呼ばれるタブ休止機能を他社製Webブラウザーよりも早く導入していた。

 筆者は昨年の年末企画“編集部員の今年のお気に入り”で紹介したように、「Google Chrome」用の拡張機能「The Great Suspender」を愛用中。「Opera」でも“Tab Hibernation”機能を利用していたが、同機能は最新版で廃止されてしまったようだ。

「Google Chrome」の“Tab discarding”機能
タブの休止状況を確認できる画面

 窓の杜ではこれまで報じていなかったものの、実は「Google Chrome」にもタブ休止機能が実験的に導入されている。その試験運用が開始されたのは昨年7月。“Tab discarding(タブのメモリ解放)”と呼ばれ、パソコンのメモリ不足を検知すると、一定のルールに従って各タブを自動で休止させていく。

 当時はその利用がCanary版の「Google Chrome」に限られていたが、現在は正式版でも上級者向けの設定画面から有効化することが可能だ。休止されたタブはアクティブ化するまでの間、そのプロセスがタスクマネージャー上からも姿を消す仕組み。アドレスバーに“chrome://discards”と入力すれば、各タブの休止状況を確認できる。

 興味深いのはGoogle社が「The Great Suspender」を参考にしていること。現在の“Tab discarding”機能には除外設定などが存在せず、煩わしく感じることもあるかもしれない。Canary版では同機能が標準で有効になっているので、正式版へ反映されるときには「The Great Suspender」のような設定項目が用意されることを期待しよう。

(中井 浩晶)