ニコニコ自作ゲームPick Up

第5回

多彩なハンマー攻撃で天狗を殲滅せよ!「日本昔話つち太朗」

タテ振り、ヨコ振りや溜め攻撃を使い分けるのが楽しいアクションゲーム

 『ニコニコ自作ゲームPick Up』では、“ニコニコ動画”で開催されている自作ゲームの祭典“ニコニコ自作ゲームフェス2”の参加作品の中から、ゲームフェス運営がピックアップしたゲームを毎週紹介していく。今回はハンマーで戦う横スクロールアクションゲーム「日本昔話つち太朗」を紹介する。

主人公も敵も変質者ぞろい!? 思わず突っ込みたくなるアクションゲーム

ステージ開始時にアップになる主人公。下半身明らかにはいてないよね!?

 下半身なにもはいてない! そんなアバンギャルドな主人公・つち太朗が、大きなハンマー(槌)を背負い天狗退治に旅立つ変態系横スクロールアクションゲームが「日本昔話つち太朗」だ。登場する敵キャラも、思わず突っ込みたくなる曲者ぞろい。プレイヤーは多彩なハンマー攻撃を使いこなすつち太朗を操り、ステージを進んでいく。

 どこで覚えたのか、つち太朗の攻撃は非常にバラエティ豊か。通常の振りおろしだけでなく、攻撃キーと方向キーの組み合わせにより、背景にある木なども倒せる“ヨコ振り”、ハンマーを下に構えて垂直落下する“プレスハンマー”、パワーを溜めて威力がアップする“ホールド攻撃”などを繰り出せる。敵となる天狗も空を飛んだり、障害物を投げてきたりとさまざまなアタックをかけてくるので、攻撃を使い分けながら対処していくことになる。

特攻攻撃を仕掛けてくる“股間に天狗面男”。天狗のはずなのだが、いったい何がどうしてこうなった……

 そして、ハンマー攻撃ならではの難しさが、攻撃に“ため”があること。一般的な殴る蹴るの攻撃と異なり、ハンマーの場合は振り上げるのに1モーションかかってしまう。敵の攻撃に対し一息早めに対応しなければ間に合わないため、反射神経が重要になってくる。

 いやらしいのは、“裸で股間に天狗面男”の存在。存在自体もそうだが、突然ダッシュで特攻をかけてくるため、どうしても対応が遅れがちになる。慣れないうちはジャンプで避けると安心だ。

パワーアップアイテムを大事に使いつつ、テンポよく進んでいこう

ゲームスタート時に難易度を選択。し、シチュー!?
樽を壊していたら“J”が出現! 出現位置はある程度決まっているが、出現するかはランダムのようだ

 ゲームは難易度が3段階に設定されているが、その内容もユニーク。“甘口”“辛口”“シチュー”のうち、カレーが描かれた甘口・辛口は想像の通りだが、シチューが曲者だ。本来は体力ゲージが0になるまで敵の攻撃に耐えられるつち太朗が、一撃でやられてしまう。自機が128機と多めだが、どうしてもステージの再開ポイントまで戻ることが多くなり、クリアは相当難しい。

 敵の攻撃が激しくなってくる中盤以降やシチューモードで威力を発揮するのが、パワーアップアイテム。障害物を壊すとまれに出現する。“P”“S”“J”が存在し、それぞれ攻撃力、スピード、ジャンプ力がアップ。ただし、Sは操作が格段に難しくなるため、素人にはお勧めできない。

 そこで活用すべきはPとJになるわけだが、パワーアップアイテムはそう頻繁に出てくるわけではない。何度かダメージを受けるとパワーアップの効果は消えてしまうので、一度ゲットしたパワーアップアイテムをどれだけ長く使い倒すかが重要になる。

 と言いつつ、筆者が遊んだ感覚ではこのゲームは“テンポ”が最も重要。簡単な“甘口”モードでもかなりの数の敵が襲ってくるので、倒す・避けるをすばやく判断し、テンポよく進んでいこう。そのテンポをどれだけ持続できるかが、クリアのカギとなるはずだ。

 トリッキーな見た目に騙されてしまうが、遊んでみると意外なほどの難しさに驚くこのゲーム。カレーを十分楽しんだら今度はシチューも味わえる、長い間じっくり楽しめる良作アクションだ。

「日本昔話つち太朗」
【著作権者】
O松 氏
【対応環境】
Windows XP/8
【ソフト種別】
フリーソフト

ニコニコ自作ゲームフェス2とは

 “ニコニコ自作ゲームフェス”は、ゲームを作る人、遊ぶ人、二次創作をする人をつなぎ、個人で作ったゲームがもっと多くのひとにプレイされるようになることを目指す祭典。2回目の開催となる“ニコニコ自作ゲームフェス2”は、2013年6月13日(木)から10月6日(日)の間で作品募集を行ない、11月4日(月)に“ゲームマーケット2013秋”の会場にて授賞式を実施する。

 応募対象は2013年6月1日時点で未発表のオリジナルゲームで、誰でも自由に遊べるように配布してあり、無料でもそれが体験できるもの。ニコニコ動画にゲームの紹介動画を投稿することで応募可能。詳細は下記公式サイトを参照してほしい。

(市川 美穂)