ニコニコ自作ゲームPick Up

第6回

音が怖い!背筋も凍る納涼ホラー「みんなかくれんぼ」

複雑な分岐でやりこみ必至のホラーアドベンチャー

 『ニコニコ自作ゲームPick Up』では、“ニコニコ動画”で開催されている自作ゲームの祭典“ニコニコ自作ゲームフェス2”の参加作品の中から、ゲームフェス運営がピックアップしたゲームを毎週紹介していく。今回は凝ったシナリオで人気のホラーゲーム「みんなかくれんぼ」を紹介する。

残暑を忘れる複雑なストーリーは謎の幼女がカギ!?

不気味な手順の儀式を行うと何かが起こるという都市伝説“ひとりかくれんぼ”。この方法を級友・淳貴が見つけてしまったことから、美香は事件に巻き込まれてしまう

 厳しい残暑が続き、相変わらずの暑さにうんざりする人も多いはず。そんなときプレイしたいのが、背筋がひんやり涼しくなれる「みんなかくれんぼ」だ。

 とある高校で、男子生徒が偶然見つけた都市伝説“ひとりかくれんぼ”。ぬいぐるみと爪や塩水、刃物などを使う儀式めいたその都市伝説を、主人公の美香らクラスメイト5人は実際に行うことになってしまう。遊びのつもりで夜の学校に忍び込み儀式を実行すると、終わった後に見つかったのは死体だった……!

 当初は選択肢ありのサウンドノベル風にスタートするが、メインとなるのは高校校舎を舞台としたフィールド探索型のアドベンチャー。突如発生するミニゲームや謎解きをクリアしながら進めてゆくと、バッド・ノーマル・トゥルーの3つのエンディングに分岐する。

 ストーリーは小説が原作となっているだけあり、本格的。やや粗いところもあるが、殺人事件の犯人が覆されたり、儀式後から登場する謎の幼女が実は○○の●●だったりと、想像もしなかったどんでん返しが何度も起こる。そのため、先が気になってしまい、すべてのエンディングを見なければ終われなくなってしまうはずだ。
 ただ、一部のミニゲームや謎解きには難易度がかなり高めのものも。困ったときは付属するネタバレありの“ルート分岐表”や、ゲーム中にマップを表示すると登場する“ヒント”を参考に、がんばって進めていこう。どうしても詰まってしまったら、作者のブログに掲載された攻略ヒントを読んだり、実況動画を参考にするという方法もある。

夜の学校が舞台となっているため、主人公たちは懐中電灯を持って移動する。そのため視界が狭く、移動に迷う場面も
実際に校内を移動すると、▲▼マークが付いた場所が存在する。そこはゲームにおける重要ポイントのヒントとなっている

不気味な雰囲気を盛り上げるこだわりの効果音

効果音は音で驚かせるというよりは、場面をより盛り上げる使い方がされている。ストーリーが盛り上がる後半がとくに聴きどころだ

 読み応えのあるストーリーはもちろんだが、影の功労者は凝ったサウンド。場面に合ったBGMに、タイミングの良い効果音(SE)は、可能ならヘッドホンで堪能したいところ。とくにBGMの選定がよく、プレイする手を止めてじっくり聞いてしまうこともあるほどだ。エンディングでは、ニコニコクリエイター・ChiRoLとコラボしたオリジナルのテーマ曲も流れる。

 なお、本記事末尾に掲載したゲーム紹介動画のBGMもChiRoLメンバーのヒロロン氏によるもの。なかなかの名曲なので、ぜひ聴いてみてほしい。

 原作、イラスト、音楽と、作者ギンナン氏がたくさんのクリエイターとコラボして作り上げた「みんなかくれんぼ」は、暑い夜にぴったりの力作ミステリーアドベンチャー。時間の取れる週末にでも、じっくり腰を据えてプレイしたい作品だ。

「みんなかくれんぼ」
【著作権者】
ギンナン 氏
【対応環境】
Windows 95/98/2000/NT/Me/XP/Vista/7/8
【ソフト種別】
フリーソフト

ニコニコ自作ゲームフェス2とは

 “ニコニコ自作ゲームフェス”は、ゲームを作る人、遊ぶ人、二次創作をする人をつなぎ、個人で作ったゲームがもっと多くのひとにプレイされるようになることを目指す祭典。2回目の開催となる“ニコニコ自作ゲームフェス2”は、2013年6月13日(木)から10月6日(日)の間で作品募集を行ない、11月4日(月)に“ゲームマーケット2013秋”の会場にて授賞式を実施する。

 応募対象は2013年6月1日時点で未発表のオリジナルゲームで、誰でも自由に遊べるように配布してあり、無料でもそれが体験できるもの。ニコニコ動画にゲームの紹介動画を投稿することで応募可能。詳細は下記公式サイトを参照してほしい。

(市川 美穂)