ニコニコ自作ゲームPick Up

第4回

戦闘バランスが絶妙! 戦術が勝敗を左右するSLG「トウバツタイ」

短時間でサクッと遊べる知的ハマりゲー

 『ニコニコ自作ゲームPick Up』では、“ニコニコ動画”で開催されている自作ゲームの祭典“ニコニコ自作ゲームフェス2”の参加作品の中から、ゲームフェス運営がピックアップしたゲームを毎週紹介していく。今回はお手軽バトルシミュレーションゲーム「トウバツタイ」を紹介する。

15分だけ遊ぶつもりが気づけば3時間……。戦闘のおもしろさを抽出!

フィールドは高低差あり、障害物ありの遊びごたえがあるもの。ユニットごとに移動可能距離も異なる
敵の難易度は5段階。登場ユニットはステージ・難易度ごとに固定で、たとえばスケルトンが戦士タイプ、竜人が盗賊タイプ、黒いゴーストが術士タイプになっている

 斜め見下ろし形(クオータービュー)のフィールド上で、チェスのように個性のあるユニットを移動させながら敵を殲滅していくバトルシミュレーション。それが「トウバツタイ」だ。出撃ユニットとステージ・敵を選んで即バトルと、戦闘部分だけを手軽に楽しめる作りが特徴。コンシューマーではいくつも名作が誕生しているジャンルをうまく自作ゲームとしてアレンジし、短時間で集中して遊べるゲームに仕上げている。

 このゲームの一番のウリは、ややキツめのゲームバランス。3種類のステージにそれぞれ5段階の難易度の敵が用意されているのだが、味方ユニットは3~4回も攻撃を受ければ死亡してしまう程度のHPしかもっていない。ユニットにはレベルの概念がないため、激ヨワ状態のユニットをうまく組み合わせて使っていかなければならないのだ。ステージごとに制限される出撃数の範囲でうまく前衛・後衛を組み合わせ、回復役である補給士や遠距離攻撃ユニットを効果的に使いながらフィールドを攻略していこう。

 なお、本作では攻撃のミス率がやや高めに設定されており、必ず攻撃が成功するとは限らない。フレンドリーファイアや攻撃時のノックバック、隣接攻撃時の自動反撃があるなど、予想外のゲーム展開が生まれやすいシステムもあり、知恵を絞って上手にユニットを配置していきたいところだ。

ステージクリアで新ユニットが登場

初期ユニットは最上段の4種類。特定の敵を倒すと新ユニットが登場、最終的には12ユニットが揃う

 激ヨワユニット4種類でスタートする「トウバツタイ」だが、ゲームを進めていくと、かなりの頻度で新ユニットが登場する。遠距離攻撃+状態異常攻撃を兼ね備えたユニットも登場し、これで難易度がアップする後半もだいぶ楽になる。逆に、腕に覚えがある場合は、初期ユニットだけで最終ステージまで攻略するといった遊び方もあるだろう。

 1回のバトルは15分程度とサクサク遊ぶことができ、簡単にはクリアできない程よい難易度も併せもつ。うっかりミスであっさり死んでしまう味方ユニット、こちらの弱点を迷わず突いてくる敵……。敵の難易度を変え繰り返し遊ぶうちに、無個性だったはずのユニットになぜか愛着がわいてくる不思議なゲームだ。ちなみに、筆者は自分には補給ができない“補給士”がお気に入り。

 なお、作者のぺくちんさんは「イヴァ・アカーシャ」という本格的なシミュレーションRPGを開発中。同人ゲームとして公開予定だそうなので、そちらにも要注目だ。

「トウバツタイ」
【著作権者】
ぺくちん 氏
【対応環境】
Windows XP以降
【ソフト種別】
フリーソフト

ニコニコ自作ゲームフェス2とは

 “ニコニコ自作ゲームフェス”は、ゲームを作る人、遊ぶ人、二次創作をする人をつなぎ、個人で作ったゲームがもっと多くのひとにプレイされるようになることを目指す祭典。2回目の開催となる“ニコニコ自作ゲームフェス2”は、2013年6月13日(木)から10月6日(日)の間で作品募集を行ない、11月4日(月)に“ゲームマーケット2013秋”の会場にて授賞式を実施する。

 応募対象は2013年6月1日時点で未発表のオリジナルゲームで、誰でも自由に遊べるように配布してあり、無料でもそれが体験できるもの。ニコニコ動画にゲームの紹介動画を投稿することで応募可能。詳細は下記公式サイトを参照してほしい。

(市川 美穂)