週末ゲーム

第662回

都市を発展させ、軍備を増強して世界を統一せよ!「マーチ オブ エンパイア」

都市を率いる“英雄”の育成も楽しいMMOタイプの戦略シミュレーションゲーム

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回はMMOタイプの戦略シミュレーションゲーム「マーチ オブ エンパイア」を紹介しよう。

 本作は、Windows 8.1以降に対応するWindows ストアアプリ。PCとモバイルの両方に対応しており、どちらでも遊ぶことが可能だ。アイテム課金制のゲームだが、アイテムは生産ボーナスや所要時間の短縮を目的としたものがほとんどで、ゲームの進行上必須となるものはない。アイテムを購入しなくても十分楽しめるだろう。

 ゲーム目的は、都市を築き、技術を発展させ、軍備を増強して世界統一への戦いに挑むこと。大人数が一度に同じサーバーへログインし、同じ空間を共有して遊ぶタイプのオンラインゲーム(MMO)でもあり、ときに近隣プレイヤーとの駆け引きも必要とされる。同盟システムなども活用して、世界の覇者を目指そう!

3つの勢力

プレイヤーはハイランドの“キング”、北の“ツァーリ”、砂漠の“スルタン”の3つ勢力の内、いずれかに属することになる(選択は自動だが、スタート時に配布される特殊アイテムで変更可能)

 本作の舞台は、中世の欧州がモデル。プレイヤーはまずハイランドの“キング”、北の“ツァーリ”、砂漠の“スルタン”という3つ勢力の内、いずれかに属することになる。勢力の選択は自動で行われるようで、筆者の環境では“スルタン”が選択された。それぞれの勢力は異なる強みを持っているので、どの勢力に属するかは今後の展開に大きく影響するだろう。

ハイランドの“キング”

 たとえばハイランドの“キング”は鉄の鎧をまとい、剣技に優れた剣士たちの国だ。そのためか、この勢力には剣兵の攻撃力や鉱物収入にボーナスが付いている。固有ユニット“チュートン騎士団”の生産が行えるので、中世のドイツをモチーフとしているのだろう。この勢力は建設速度に+10%のボーナスが付くので、施設をガンガン建てて都市を発展させたいプレイヤーにお勧めできる。

古くから伝わる知識を守る者たちの国“スルタン”

 2つ目の“スルタン”は、中東のイスラム勢力がモチーフ。古くから伝わる知識を守っており、研究速度にボーナスが付く。そのため、知識の研究で他の勢力に先んじることができるだろう。また、なぜか槍兵の攻撃力と部隊規模にボーナスが付くので、騎兵主体の勢力を圧倒することができる。固有ユニットは“暗殺教団”。

騎兵の攻撃力にボーナスがある“ツァーリ”

 最後の“ツァーリ”は、馬上で生まれ馬上で死ぬことを旨とする戦士たちの国。訓練速度と騎兵の攻撃力にボーナスがあり、強力な騎兵軍団を速成して剣兵を蹴散らすことができる。また、広大な森林が広がる北国ロシアがモチーフとなっており、木材収入のボーナスがある。固有ユニットは“ボヤール”。

 どれも一長一短だが、運悪く苦手な勢力に隣接してしまうと、展開次第では苦しむことになるかもしれない。とはいえ、後述のゲーム要素を把握してうまく活用すればその差は挽回可能だ。ゲーム開始時に与えられる特殊なアイテム“文明変更”を利用すれば、異なる勢力へ変更することもできる。

 勢力が自動選択されると“都市”が与えられ、ワールドマップの任意の場所に配置される。プレイヤーはこの“都市”を率いる“英雄”となり、これを発展させていくことになる。

勢力が自動選択されると“都市”が与えられ、ワールドマップの任意の場所に配置される

まずは内政から ~王国を築き、技術を発展させろ!

 さて、本作は大きく分けて2つの画面からなり、画面左下のアイコンで切り替えることができる。

ワールドマップ画面
“都市”画面

 1つ目の画面は、先程少し触れたワールドマップだ。このマップには自分や他のプレイヤーの“都市”、まつろわぬ者たちが巣食う“反逆者の野営地”、資源を算出する“農場”“銀鉱山”“採石場”“製材工場”などが配置されており、戦闘や資源の収集が行える。

 しかし、そのためには軍隊を育成しなければならない。そこで当面は2つ目の“都市”画面で内政を行う必要があるだろう。

5つの内政コマンドの進捗パネル。それぞれの内政コマンドで同時に行える作業は原則的に1つだけだが、建設だけは特殊アイテムを消費することで2つ目のゲージを解放することができる

 内政で行えるのは、施設の建設、技術の研究、軍団の編成、防御ユニット(罠)の制作、冒険の5つだ。これらはいずれも開始から完了までに一定の時間がかかるが、それは画面左側のアイコンをクリックすると現れるパネルで確認できる。

 それぞれの内政コマンドで同時に行える作業は、原則的に1つだけ。たとえば、城のアップグレード(建設)中は、他の施設を建設したりアップグレードすることはできないし、弓兵を訓練している間は他の兵種を増員することはできない。レベルが上がるに連れて各作業の所要時間は増えていくので、効率よく進めていくには時間のやりくりや、所要時間を短縮する特殊アイテムなどの活用がカギとなるだろう。

施設の建設とアップグレード

城内・外の空きマスに施設を建設。青く小さい矢印のある施設はアップグレードが可能

 まずやるべきは、施設の建設とアップグレードだ。レベルの高い施設を数多く揃えることで“都市”は発展し、技術の研究や軍団の訓練といった他の作業が効率良く行えるようになる。施設のアップグレードには資源だけでなく、他の施設のアップグレードが必要になる場合があるので、施設の詳細画面でアップグレードの条件を確認しながら、計画的に作業を進める必要がある。

 “都市”の画面は城壁を隔てて大きく2つに分けられる。このうち城外では“採石場”“採鉱場”“農場”などの資源関連の施設が建設できる。これらは資源の収穫と備蓄のために必要だ。

 一方、城内では“住居”“工房”“兵舎”の施設を建設することになる。“住居”は“銀”の生産と備蓄、“工房”は防御施設の生産、“兵舎”は軍団の訓練を行う。

城外では“採石場”“採鉱場”“農場”などの資源関連の施設が建設できる
城内では“住居”“工房”“兵舎”の施設を建設することになる

 そのほかにも、“城”“城壁”“物見の塔”“英雄の館”“酒場”“大使館”などの特殊な施設がそれぞれ1つずつある。これらは主に他の内政・外政コマンドを実行するための施設だ。

 また、“城”のレベルを上げないと開放できない施設もある。“学術院”“寺院”“王室兵舎区域”“地下施設区域”などがそれで、これらを開放すると城内の未開放区画にもアクセスできるようになり、“住居”“工房”“兵舎”が増設できる。つまり、“都市”の規模や機能を拡大する上で、“城”こそがもっとも重要な施設となるわけだ。もしどの施設をアップグレードするか迷う場合は、真っ先に“城”のアップグレードを目指すとよいだろう。

 なお、施設の建設とアップグレードだけは、特殊アイテムで24時間に限り、同時に2つの作業が行えるようになる。特殊アイテムはアイテム課金で入手できるほか、ソロクエスト、同盟クエスト、デイリーボーナスなどでゲットすることもできるようだ。手に入れたらここぞという時に活用したい。

“城”のレベルを上げないと開放できない施設もある(鍵マークが付いているエリア)
施設のアップグレードには、他の施設のアップグレードが必要になることも

技術の研究

“学術院”で技術を研究

 技術の研究は、“城”のレベル3で解放される“学術院”で行う。技術には生産力を高めるもの、軍隊を増強するもの、新しい兵種を開発可能にするものなどがあるので、同じ“都市”の規模であれば、当然技術の優れた“都市”の方が生産力・軍事力で優位に立てる。常に新しい技術を研究できる体制を整えておきたい。

 なお、より高度な技術を研究するためには、基礎的な技術の研究が前提となる。もし特定の技術が欲しい場合は、前提条件をよく確認して計画的に研究を進めよう。

軍団の編成

“兵舎”で軍団を編成

 軍団の編成は、“兵舎”で行う。本作では“剣兵”“槍兵”“騎兵”“弓兵”“攻城兵器”の5兵種を訓練で得ることができる。

 “剣兵”は“槍兵”に強く、“槍兵”は“騎兵”に対する優位があり、“騎兵”は“剣兵”への攻撃ボーナスを持つ。つまり、ジャンケンのような3すくみの関係になっているというわけだ。どれかの兵種に特化してもよいが、一般的にはバランスよく増員するのがセオリーだろう。

 また、遠隔攻撃を行う“弓兵”と攻城戦に不可欠な“攻城兵器”は、“剣兵”“槍兵”“騎兵”のいずれにも弱い脆いユニット。前衛の守りがないとすぐに損耗してしまうので、十分注意が必要だ。

防御ユニット(罠)の製造

“工房”で防御ユニットを製造

 一方、“工房”では“罠”と呼ばれる防御ユニットが製造可能。製造した“罠”は“城壁”に装備して、敵プレイヤーから“都市”を守るのに役立てることができる。レベルの高い“工房”がたくさんあるほど、より多くの“罠”を設置できる。

 なお、“罠”をいくつ装備できるかは“城壁”のレベルにも依存する。こちらのアップグレードも怠らないようにしたい。

冒険

 最後に忘れてはならないのが、住民の依頼などを完遂して報酬をもらう“冒険”だ。

 “冒険”のためのパーティーは“酒場”で雇うことが可能。雇い入れられる冒険者は定期的に入れ替わる仕組みで、それぞれ固有のボーナスを持つ。アイテム課金以外では入手の難しい“ゴールド”を消費するのはイタいが、優秀な冒険者を見付けたらぜひ確保しておきたい。

住民の依頼などを完遂して報酬をもらう“冒険”
“冒険”のためのパーティーは“酒場”で雇うことが可能

 なお、“冒険”に出るには“エネルギー”ポイントが必要。これは定期的に自動回復される。

世界へ打って出よう!

画面をワールド画面へ切り替えて、他のユーザーの“都市”を襲撃したり、領土を占領して資源を徴収

 さて、内政で“都市”を発展させて軍備を増強し、“英雄”のレベルを十分に上げたら、今度は世界へ打って出る番だ。画面をワールド画面へ切り替えて、他のユーザーの“都市”を襲撃したり、領土を占領して資源を徴収しよう。

 ただし、他のユーザーも同じように仕掛けてくるので、戦闘が発生する。まずは、手頃な“反逆者の野営地”などを襲撃して、戦闘のシステムを把握しておくとよい。

 本作の戦闘システムでは、兵種同士の向き・不向きの要素に加えて、陣形の選択がカギになる。陣形は各兵種の配置を決めるものだが、それによっても軍団の特性が大きく変わるだろう。相手の陣形も考慮に入れながら、慎重に決定したい。

まずは手頃な“反逆者の野営地”などを襲撃
各兵種の配置を決める陣形は、軍団の特性に大きく影響する

 行軍と戦闘はワールドマップ上でリアルタイムで進行し、その過程は内政コマンドの進捗画面でタブを切り替えると確認できる。戦闘の結果は報告画面でチェックする仕組みで、そこでは戦闘の経過も再生することができる。

 また、兵種や陣形以外にも、ワールドマップには“季節”が設定されている([王国]タブで確認が可能)。“季節”に応じて生産や軍事におけるボーナスが変化するので、騎兵主体の“都市”ならば“秋”、城を攻め落としたいならば“冬”などに戦闘を仕掛けるのがよい。

 なお、事前に敵の陣形やユニットの数を把握したい場合は、“偵察”を行う必要がある。“偵察”には資源として“銀”が必要で、より正確な偵察には“物見の塔”のレベルが深く関連してくる。攻撃が好きなプレイヤーは、“物見の塔”のグレードアップも考えよう。

行軍部隊の進捗を確認するパネル
敵の状態を知る“偵察”は重要
敵プレイヤーと交戦状態になったらしい。“軍”の報告画面で結果をチェック

“英雄”の装備を揃えたり、スキルを伸ばす楽しみも

“都市”を率いる“英雄”。彼にもレベルがあり、武器・防具を装備させたり、スキルを伸ばすことが可能
スキルにはさまざまな効果があり、“都市”の生産力や軍事力にボーナスを加えることができる

 さて、本格的な同盟戦に入る前に紙幅が尽きてしまったが、最後に本作の“英雄”システムについて少し紹介しておきたい。

 本作では“都市”を率いる“英雄”にもレベルが設定されており、さまざまな武器・防具を装備させたり、スキルを伸ばすことが可能。装備やスキルにはさまざまな効果があり、“都市”の生産力や軍事力にボーナスを加えることができる。

 “英雄”の武器や防具は、ワールドマップでの戦闘や収穫でときどき入手可能。複数の装備を集めて新しい装備を作成したり、不要な装備を“錬成”して別の装備にすることもできる。“都市”の育成に努めるのもよいが、攻撃が好きなプレイヤーなら積極的にワールドマップへ打って出て、“英雄”の装備を充実させるのも手だろう。

“英雄”の武器や防具は、ワールドマップでの戦闘や収穫でときどき入手できる
複数の装備を集めて新しい装備を作成したり、不要な装備を“錬成”して別の装備にすることも可能

 本作は要素が盛りだくさんで、最初はシステムを把握するのに難儀するかもしれない。しかし、流れに乗ってしまえばやるべきことは意外にシンプルで、進捗パネルで内政と軍事の進行が把握できるなど操作性もなかなか良い。基本的な操作をマスターして、内政と軍備拡張が軌道に乗ったら、ぜひ同盟にも参加して世界制覇へ邁進していただきたい。

ソフトウェア情報

「マーチ オブ エンパイア」
【著作権者】
Gameloft.
【対応OS】
Windows 8.1/10、Windows 10 Mobile、Windows Phone 8.1(ARM、x86、x64)
【ソフト種別】
フリーソフト(アプリ内課金あり)
【バージョン】
2.1.0j