【第382回】
パズル風RPG「The Tower of OBeLiSK」
限られた鍵をどう使う? 思考と探索力でクリアを目指せ
(09/07/17)
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、パズル的思考を駆使してダンジョンを探索するRPG「The Tower of OBeLiSK」を紹介しよう。
数の限られた“鍵”をどう使うかが攻略のポイント
「The Tower of OBeLiSK」は、不思議な塔に閉じ込められた主人公を操作して、塔を脱出するため出口があるという頂上を目指すRPG。2D見下ろし型画面のフィールドを移動し、階段を発見して次のフロアへと進んでいく。一般的なRPGと同じくHPや攻撃力、防御力などのステータスはあるが経験値がなく、能力アップはすべてフィールド上に落ちている能力アップアイテムで行う仕組み。
階が進むにつれてモンスターが強くなるので、できるだけ多く能力アップアイテムを入手することが攻略の鍵となる。この際にポイントとなるのが、一度上のフロアに上がると下に降りられないこと、またフロアには鍵のかかった扉があり、入手できる鍵の数が限られるためすべての扉を開けるのは不可能ということだ。
これにより、より効率のよいルートを探すというパズル要素が生まれてくる。能力アップアイテムのほかには、剣や盾といった装備品や、MPを消費して戦闘中に特殊攻撃や回復を行う“スキル”を修得できるアイテムなどもあるので、効率よく回収していこう。そのほかフィールド上には、HPとMPがその場で回復するアイテムも落ちている。
鍵には銅、青、銀、金と4つの種類があり、それぞれの色に対応した扉を開けることが可能。また、金の鍵はすべての色の扉を開けられる。無駄と思われるアイテムの回収などに鍵を浪費しないよう、使い所を見極めることが大切だ。
優先すべきは能力アップアイテムと装備品、スキルで、回復アイテムはよほどの場合でない限り、鍵を使ってまで取りに行く価値はない。後半でほしいアイテムが鍵不足で入手できず、クリアできなくなるケースもあるので、とにかく鍵は大切に使っていこう。
セーブは10階ごとに用意されたセーブポイントで行えるほか、その場でセーブできるクイックセーブ機能もある。ただしクイックセーブはセーブポイント間で2回までと回数が限られているので、安易には使えない。この制限が、本作のパズル性を高めていると言えるだろう。
戦闘はMP配分が大事、最大の戦略は“戦わないこと”
戦闘はオーソドックスなコマンド選択方式で、パーティメンバーは増えず最後までひとり旅だ。敵は複数出現するのでスキルを使って複数攻撃したり、防御や回避のステータスを高めて受けるダメージを減らすなどの工夫が必要となる。HPやMPの回復はフィールド上のアイテムで行うようにし、回復スキルによるMP消費はなるべく控えつつ進むのが基本だ。
モンスターとのエンカウントは、フィールド上を徘徊しているモンスターとの接触で発生する。戦闘からは逃げることもでき、逃走に成功した場合は一定時間逃げた敵との再接触は発生しないが、すり抜けることはできないので、一本道をモンスターに封鎖されると戦闘は避けられない。敵を倒して得られるのはお金のみで、本作においてお金はあまり重要ではないため、戦闘は極力回避しよう。
戦闘に関しては、できるだけそのフロアに存在するアイテムを回収して能力を高めてから戦うと楽だ。逃げられる場面では逃げて、強くなってから倒していくといい。こうして受けるダメージを少なくしてHPとMPの消費を抑えていけば、鍵を使ってまで回復アイテムを取らねばならない場面はほとんどなくなるはずだ。そのほか、上階への階段が2つある場合は、より辿り着きにくいほうを選ぶのが長期的に見ると正解であることが多い。
レベル上げの概念がなく、不必要な戦闘はしないほうがよいので、テンポよくゲームが進んでいく。そのぶんアイテムの取り逃しなどが致命的になり、進め方を間違えると後半で行き詰まってしまうことも。そういう意味では詰め将棋的なプレイを極めていくタイプのゲームと言えるだろう。塔は30階までと手頃なボリュームだがなかなか手強く、簡単にはクリアさせてもらえない。どうしてもクリアできない人にはイージーモードも用意されているので、しっかりとした攻略を楽しみたい人なら誰にでもお勧めできる一作だ。
- 【著作権者】
- DAI 氏、DAIpage
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows XPで動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.02(09/04/29)
- 【ファイルサイズ】
- 46.8MB