【第388回】
定番トランプゲームを豪快にアレンジ「まじかるとらんぷ ~大富豪~」
ローカルルールてんこ盛り! “アリアリルール”の大富豪
(09/09/18)
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、特殊ルールを満載したトランプゲーム「まじかるとらんぷ ~大富豪~」を紹介しよう。
「まじかるとらんぷ ~大富豪~」はCPUが操作する“コトヒナ”“リリ”“アヤメ”という3人のキャラクターと、計4人でトランプゲームの大富豪をプレイするゲームだ。操作はマウスで行い、プレイヤーの手札を選択したり、[OK][パス]をクリックして実行するだけ。勝負はエンドレスで、負けが込んでも続いていきゲームオーバーはない。
基本ルールは大富豪そのままで、4人戦のため最初にアガった者が“大富豪”となり、以下アガった順番に“富豪”“貧民”“大貧民”と階級が決定する。カードの交換は大富豪と大貧民が2枚ずつ、富豪と貧民が1枚ずつだ。
さらに、大富豪と言えば地方ごとなどに異なるローカルルールの存在が特徴だが、本作では各地方に伝わるものから本作オリジナルと思われるものまで、非常に多くのローカルルールが採用されている。たとえば同じマークで3、4、5といった連番は“階段”という役でまとめて出すことができ、次のプレイヤーは同じ枚数の連番でより強いカードでなければ出すことができない。また、3のカード3枚は“砂嵐”という役で、場に出ているカードが何であっても出すことができる。
ほかにも、J(ジャック)のカードを出すと“Jバック”という役でカードの強さが一時的に逆転するなど、さまざまなローカルルールが満載で、おかげで大貧民から逆転勝ちするチャンスも多く、よりスリリングなプレイが楽しめるのだ。
本作にはルールが記載された説明書がなく、ゲーム上で自分や相手が役を作って初めて説明が表示されるので、最初はローカルルールを発見していくこともプレイの醍醐味となっている。さらに、これらのルールによって相対的に2とジョーカーが弱くなっているせいか、本作では2やジョーカーでのアガリが認められている。これも特殊ルールの1つだと言えるだろう。
また、本作は1勝負ごとの勝敗だけでなく得点を競うシステムがあり、“大富豪”になると1,000点、“革命”を決めると1,000点といったように、アガリや特殊な役を成立させることで得点が加算され、この得点で4人の順位を競うことになる。早くアガることも重要だが、得点を重視して可能な限り特殊な役で稼ぐというプレイも考えられる。早アガリが難しい場合などは手持ちのカードでできるだけ稼ぐ作戦に切り替えることも大切だ。
とにかくルールが特殊なので、大富豪の基本ルールを知っている人向けと言える。大富豪を知らない人は普通のトランプゲームで基本をマスターしてからプレイしたほうが、よりルールの多彩さを楽しめるだろう。CPUも上手に特殊ルールを使いこなしてくるので、“大富豪”になってもよくひっくり返される。慣れても油断できず、逆に“大貧民”になっても逆転のチャンスは多い。CPU相手に勝ったり負けたりを繰り返すことになるが、それが本作の面白いところ。得点があることで連戦していても飽きずに欲張ったプレイを楽しめるのもいい。1人で多人数プレイをしている感覚を味わいながら時間を潰すには最適だ。
- 【著作権者】
- アトリエミュート、アトリエミュート ゲーム開発班
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows XPで動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
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- 【ファイルサイズ】
- 3.82MB