【第433回】
ローグ風ステージ自動生成型の探索アクションゲーム「Spelunky」
ロープと爆弾を駆使してダンジョンの奥地を目指せ
(10/11/19)
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、アクションゲームとしては珍しくステージ構造が毎回ランダム生成される「Spelunky」を紹介しよう。
ダンジョンをランダム生成する探索アクションゲーム
「Spelunky」は、冒険家である主人公を操作して、敵を倒したりトラップを避けながら全16ステージのクリアを目指すアクションゲーム。画面構成は2Dサイドビューで、80年代のアクションゲームの雰囲気をもっているが、ステージ構成がプレイのたびにランダム生成されるのが特徴。ダンジョンを自動生成するローグ系RPGとアクションゲームの面白さを見事にミックスさせた作品で、いつでも新鮮な気持ちでプレイできるのが大きな魅力だ。数に限りのあるロープや爆弾を駆使してアイテム集めやショートカットができるなど、戦略性に富んでいるのも面白い。アイテムの数が多く、隠し要素も満載と何度でもプレイしたくなる奥深さを備えている。
シンプルな画面とは異なり、操作はけっこう複雑だ。まず移動関係では、カーソルキーの左右で移動、カーソルキーの上で見上げる・ロープやはしごを登る・ゴールに入る、カーソルキーの下で伏せる・ロープやはしごを降りる、[Z]キーでジャンプ・崖の縁やロープから手を離すとなっている。また、[X]キーで攻撃・アイテムの使用・アイテムを投げる、[C]キーで手に持つアイテムの切り替え、[A]キーで爆弾を投げる、[S]キーでロープの発射、[P]キーで店におけるアイテムの購入という操作が可能だ。
そのほか、[Shift]+カーソルキー左右で走ることができ、走るとジャンプの距離と高さは飛躍的に向上するが、かなり高速な移動となるため制御が難しい。チュートリアルが用意されているので、慣れるまでじっくり練習してから実際のステージに挑戦するのがベターだ。
武器は初期状態でムチを持っているほか、店や木箱からピストルやショットガンといった飛び道具も入手できる。このほか、壁を壊せる“つるはし”や自分がワープできる“テレポーター”といった特殊なものも。装備するアイテムも用意されており、アイテムを投げる飛距離が大幅に伸びる“野球グローブ”、どの壁にも掴まれるようになる“登山グローブ”、ジャンプの高さがアップする“スプリングシューズ”など10種類以上も存在する。これらも店や木箱などから入手可能だ。
敵や敵の攻撃に当たる、高い場所から落ちる、トラップから発射される弓矢に当たるといったダメージを受けると画面左上にあるライフが減り、ゼロになるとゲームオーバー。なお、針の山に落ちたり触れると一気にライフがゼロになるのでとくに注意しておきたい。コンティニューはなく、ゲームオーバー時は最初からのやり直しとなる。
ロープと爆弾の活用がクリアのカギ
各ステージは、どこかにある階段に入ればステージクリアとなる。階段はステージの最下層あたりにあるので、クリアだけを目指すならどんどん下へ進めばいい。その際に重要になるのが、カーソルキーの上下を長押しすることで、上下それぞれ少しだけ画面がスクロールして、その先の状態を確認できること。とくに、高い場所から落ちるとライフが減ってしまうので、下に降りるときは床までの高さに注意。高すぎると思ったら、素直にロープを下ろして安全に降りよう。ライフを回復する手段は少ないので、慎重さが重要だ。
また、爆弾は非常に便利なアイテムで、敵への攻撃はもちろん、壁を破壊して先に進むなどさまざまな場面で活用できる。ただし、爆風に主人公が触れると即ゲームオーバーなので注意したい。ロープ、爆弾ともに数に限りはあるが、店や木箱などで補充できる。
ステージ内には金塊や宝石が数多くあり、入手するとお金が増える。お金は、ステージ内にある店でアイテムを購入するときに必要だ。面白いのは、お金を払わずに店から出る“泥棒”ができること。泥棒をすると店主がショットガンを撃ちながら追いかけてくるため、非常にリスクが高い。爆弾などで店主を倒す方法もあるが、その場合は指名手配され、その後のステージでも店主に追いかけられるハメになる。
このほか、ステージにはさまざまな要素がちりばめられている。たとえば、ステージに登場する美女を持ち上げて階段まで連れてクリアするとライフが1つ増えるほか、祭壇に美女などを生け贄として捧げるとアイテムを入手できるといった具合だ。また、店に置いたり持ったままステージクリアするとお金がグッと増える金の像は、持ち上げると巨大な岩が転がってくるといったトラップも。このほか、サイコロの出目によってお金やアイテムがもらえるギャンブルができる店も登場する。ステージはランダム生成のため、これらの要素が毎プレイごとに必ず出るわけではないが、プレイヤーを飽きさせない要素が満載となっている。
後半のステージには隠し扉があったり、スタート画面から行けるスコアを表示する部屋では特定条件を満たすと秘密部屋への入り口が登場するなど、やり込み要素も満載だ。ステージが毎回変化するので飽きることがなく、失敗すると何度もプレイしたくなる中毒性もある。海外の作品だがストーリー性は少ないため、メッセージなどで戸惑うことはほとんどない。秋の夜長にじっくりと楽しみたい1本だ。
- 【著作権者】
- Derek Yu 氏、Mossmouth, LLC
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows XP/Vistaで動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.1(09/12/25)
- 【ファイルサイズ】
- 9.54MB