やじうまの杜

実験! 次期Windows 10の“ストア以外から入手したアプリのインストール禁止”機能とは?

Creators Update普及のカギは「Desktop App Converter」によるストアの充実か

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“ストア”から入手したアプリのみインストールを許可する機能

 “ストア”から入手したアプリのみインストールを許可する機能が、「Windows 10 Insider Preview」Build 15042に追加されました(正式にアナウンスされたのは「Windows 10 Insider Preview」Build 15046の公開時です)。これはいったいどんな機能で、どんな場合に役に立つのでしょうか。実際に編集部で試してみました。

基本的な動作をチェック

現行版Windows 10(Anniversary Update)の「設定」アプリ
「Windows 10 Insider Preview」Build 15042(Creators Update)の「設定」アプリ

 問題の機能が利用できるのは、「設定」アプリの[アプリと機能]画面からです。Build 15046ではこの画面の上部に“アプリのインストール”というセクションが追加されており、以下の3つのオプションが選択できるようになっています。

  • 任意の場所のアプリを許可する
  • Warn me before installing apps from outside Store(Build 15042では“ストアのアプリを優先するが、任意の場所のアプリを許可する”でした)
  • ストアのアプリのみ許可する

 初期設定は、一番上の“任意の場所のアプリを許可する”です。このオプションが指定された環境では、アプリの入手先を問わず、従来通りインストールが行えます。

 一方、2番目と3番目のオプションを選択した環境では、ストア外で入手したインストーラーを実行するとダイアログが現れ、セットアップが中断されます。両者の違いは、2番目が“警告”に過ぎず、ユーザーが望めばセットアップを続行できるのに対し、3番目はセットアップが“禁止”され、セットアップが行えないことです。

 試しにインストーラー版「CrystalDiskMark」のセットアップしてみると、ちゃんと“警告”または“禁止”のダイアログが現れました。

2番目のオプション“警告”を選択した場合
3番目のオプション“禁止”を選択した場合
“ストア”に掲載されているならば、インストールして実行可能

 このダイアログには「設定」アプリの“アプリのインストール”セクションへアクセスするリンクや、「ストア」を起動するボタンが用意されています。

 たとえば、今回試した「CrystalDiskMark」は「Desktop App Converter」でUWPアプリ化したバージョンが“ストア”に掲載されているため、「ストア」アプリで検索してインストールすれば、ストア外アプリのインストールが禁止されている環境でも利用できます。

ストア外アプリは使えなくなるの? この機能は何の役に立つの?

ストア外アプリを禁止した環境でも、インストール済みならば実行できる

 この機能が追加されたことが報じられた際、『“Windows 10 Creators Update”ではWin32アプリケーションが利用できなくなるのではないか』と早合点した読者もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。初期設定は“任意の場所のアプリを許可する”になっているため、設定を変更しない限り従来と動作に変わりはありません。

 また、ブロックされるのはアプリケーションの“インストールのみ”です。つまり、すでにインストールされているアプリならば、ストア外で入手したアプリであっても実行は可能です。

 なので、たとえばWindows 10を新規にインストールし、環境構築が済んだあとにストア外アプリのインストールを禁止しておけば、迷惑ソフトや詐欺ソフトのインストールをブロックすることができるでしょう(ストア外アプリの自動更新機能が動作しない可能性は考えられますので、もう少しテストが必要かもしれませんが)。

 また、私事で恐縮ですが、筆者は親に“Surface 2”を与えています。“Surface 2”に搭載されているOSは“Windows RT 8.1”なので、ストアアプリ以外のアプリを追加することができないのですが、おかげで迷惑ソフトや詐欺ソフトに引っかかることがなくなり、安心して利用できると大変好評です(私も親のPCの面倒を見なくてよくなって万々歳です!)。これは特殊な事例ですが、たとえば企業・団体など『出所の怪しいアプリを勝手に追加されると困る』ところであれば活用できるかもしれません。

 “ストアからしかインストールできない”のは、現時点では不便というしかなく、メリットよりもデメリットの方が大きく感じられます。しかし、もしメジャーなWin32アプリケーションの多くが「Desktop App Converter」でUWPアプリ化され、“ストア”から入手できるようになれば、不便に感じるシーンは少なくなり、むしろ“審査を経たアプリを安心して利用できる”というメリットが評価されるようになるかもしれません。