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JPEGを「libjpeg」よりも20~30%小さく ~Google、新エンコーダー「Guetzli」を発表

“GitHub”からソースコードとバイナリをダウンロード可能

公式ブログ“Google Open Source Blog”

 米Google Inc.は16日(現地時間)、オープンソースの新しいJPEGエンコーダー「Guetzli」を発表した。ライセンスは“Apache License 2.0”。現在、“GitHub”のプロジェクトページからソースコードとバイナリを無償でダウンロードできる。

 「Guetzli」は、既存のWebブラウザーとの互換性を保ちつつ、よりサイズの小さなJPEGファイルを生成できるアルゴリズム。名前はスイスドイツ語の“クッキー(cookie)”を意味する単語に由来する。

 JPEG画像は色空間変換、離散コサイン変換、量子化などのプロセスを経て行われるが、「Guetzli」では視覚的な品質の劣化が起きやすい量子化の段階を特にターゲットとしており、「butteraugli」と呼ばれるツールを用いて、人間が感じる視覚的な劣化とファイルサイズの削減をバランスさせるポイントを探し出す。これにより、見た目の品質を損なわずに、ファイルサイズの削減が行えるという。

 同社によると、「Guetzli」で生成されたJPEG画像は、広く普及している「libjpeg」ライブラリで生成した同等の品質の画像よりも、ファイルサイズが20%から30%ほど小さくなる。ただし、検索プロセスの実行に時間がかかるため、エンコードにかかる時間は非常に長くなる。

 しかし、WebPなどのように新しいファイルフォーマットを導入しなくても、既存のWebブラウザーでそのまま閲覧できるのは大きなメリットだ。デコードには時間がかからないため、ファイルサイズの大きい高品質な画像の読み込み時間を短縮できる。また、一般的なサイズの画像でも、「Guetzli」による圧縮が普及すれば、モバイル端末での読み込み時間と帯域幅の削減が期待できるだろう。