NEWS(12/03/07 17:32)

Microsoft Research、「Cliplets」を公開。一部だけ時が流れる印象的な動画を作成

一瞬を切り取る“写真”と、時間の流れを記録する“ビデオ”のいいとこ取り

「Cliplets」v1.0.1「Cliplets」v1.0.1

 米Microsoft Corporationの研究部門である“Microsoft Research”は6日(現地時間)、一部分だけ時間が動いた不思議なムービークリップを作成できるソフト「Cliplets」v1.0.1を公開した。32bit版および64bit版のWindows 7に対応するフリーソフトで、現在“Microsoft Research”のWebサイトからダウンロードできる。

 「Cliplets」は、“シネマグラフ(Cinemagraphs)”を作成できるソフト。“シネマグラフ”とは、一瞬を切り取る“写真”と、時間の流れを記録する“ビデオ”を組み合わせた表現手法で、要するに“一部だけが動く絵”“一部だけが止まった動画”のこと。

 “写真”と“ビデオ”は“時間”という点で対照的であり、一見相容れないもののように思える。しかしそれらをうまく組みわわせれば、“静”のなかの“動”を強調して観る人の視線を一点に集めたり、“動”のなかの“静”を強調して普段は見過ごしている時間の流れを強調するといった効果が期待できる。

素材動画(FLV形式)

「Cliplets」で加工した動画(FLV形式)

 「Cliplets」を利用するには、まず素材となる動画ファイルを読み込む。この際、自動で手ブレ補正などの処理が行われる。次に、それをもとに時間と領域を指定してレイヤーを作成する。各レイヤーには、“Still(静止)”“Play(1回再生)”“Loop(ループ再生)”“Mirror(再生と逆再生のループ)”の4つの動きを割り当て可能。

 全体の背景となるレイヤーはの動きは“Still”に固定されているので、レイヤーに動きを割り当てると、その部分だけが動くシネマグラフを作成できる。“動かしたい箇所”をレイヤー化していく感覚で作業を進めれば、比較的簡単に思い通りのビデオを作成できるだろう。一見何気ない動画が、印象深い動画に一変すること請け合いだ。

 なお、現在のところ作成できるムービークリップの長さは10秒以内となっている。ただし、読み込み時に範囲を指定して切り取ることができるので、10秒を超える素材ファイルを読み込んでも問題はない。また、出力可能な動画形式はWMV/MP4となっている。入力に関しては、WMV/MP4形式が対応していることを編集部にて確認している。

作成できるムービークリップの長さは10秒以内。読み込み時に切り取り操作が可能作成できるムービークリップの長さは10秒以内。読み込み時に切り取り操作が可能

素材となる動画のうち“動かしたい箇所”をレイヤー化していこう素材となる動画のうち“動かしたい箇所”をレイヤー化していこう

【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows 7/7 x64
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.1(12/03/06)

(柳 英俊)