ニコニコ自作ゲームフェスMV 受賞作品ピックアップ

 第2回

【ブラウザ・スマホで遊べる無料ADV】異世界転生×異能サスペンス「異世界勇者の殺人遊戯《デスゲーム》」

個性的なキャラクターと意表を突く展開が魅力。漫画版も連載中の話題作

 今年2月に受賞作品が発表されたゲーム投稿イベント“ニコニコ自作ゲームフェスMV”。応募作品はすべてブラウザゲーム投稿サイト“RPGアツマール”にて無料でプレイでき、作品によってはスマートフォンにも対応しているほか、PC向けのダウンロード版が用意されている作品もある。本連載ではその受賞作品の中から、窓の杜がピックアップしたADVやRPGを紹介していく。

「異世界勇者の殺人遊戯《デスゲーム》」

 「異世界勇者の殺人遊戯《デスゲーム》」は、それぞれ固有の能力を持つ“勇者”達によるデスゲームを描いたサスペンス・アドベンチャーゲーム。連載型の作品で執筆時現在は第2章まで配信されており、ここまでの想定プレイ時間は2時間程度。ニコニコ自作ゲームフェスMVでの受賞後、KADOKAWAの月刊漫画雑誌“コミックフラッパー”で漫画版の連載が開始されており、これに伴いゲーム自体もキャラクターイラストの刷新といったリニューアルが行われている。

 本作の主人公は、死んでしまい異世界へと転生することになった少年、四月一日(わたぬき)。転生先の世界を救うため、女神より勇者としての力“異世界能力”を与えられることに……と、ここまでは“お約束”だが、力を授ける直前に女神は殺され、四月一日は攫われてしまう。四月一日が目を醒ました場所は、他の世界から隔絶された次元にある建物。四月一日はそこで他の勇者達と出会い、ここから脱出するには“他の勇者を殺すこと”が条件であると告げられる。

隔絶された場所へ集められた勇者達に対し、デスゲームの開始が強制的に告げられる
さまざまな能力を持つ個性的な勇者達が登場

 当然拒否する勇者達だが、この次元からの脱出を模索しているうちに最初の事件が発生してしまい、“犯人が判明すれば犯人が処刑、判明しなければ犯人以外全員が処刑”という追加ルールが明らかになる。四月一日達は生き残るため、事件の捜査を始めるのだった……。

 捜査が一段落したところで全員が集まり犯人当ての議論パートが始まるなど、ところどころに既存の作品への強いオマージュを感じる作品ではあるが、事件にファンタジーや異能バトル系の作品で見られるような力が大きく関わってくる点など、本作ならではの見どころも十分に見出すことができる。多数の個性的なキャラクター達も魅力で、本来人々を救うはずの勇者が、なぜ殺人を犯すことになってしまったのかという悲劇の真相、そのやるせなさも胸を打つものとなっている。

生き残りを賭けた犯人捜しの議論。真相を暴けなければ犯人以外が処刑されてしまう
会話したりプレゼントをあげたりと、キャラクターとの交流要素も

 “主人公の死亡”が告げられる2章予告、“いきなり別ゲームに!?”と驚かされる3章予告など、先の展開への期待を煽る牽引力のある次回予告も見どころ。各章ごとの謎解きに加えて“親切にしてくれるこの人は本当に信用できるのか?”など作品を通してのフックもあり、ぜひ完結まで見届けたい作品だ。

毎回、意表を突く次回予告で期待を煽る。続きが楽しみな作品だ

ソフトウェア情報

「異世界勇者の殺人遊戯《デスゲーム》」
【著作権者】
らふげーむ 氏
【バージョン】
-(17/06/22)
【スマートフォン】
対応
【ダウンロード版】
なし